土壌中には多くの線虫が生息しています。そのほとんどは細菌やカビを餌とする自活性線虫と呼ばれるものですが、作物の根に侵入して栄養分を奪う植物寄生性線虫や、害虫に寄生して殺虫効果を示す天敵線虫もいます。線虫グループでは、化学農薬の使用を低減した環境保全型農業を推進するため、作物の線虫抵抗性等を利用した植物寄生性線虫防除技術および天敵線虫を利用した害虫防除技術の開発に取り組んでいます。
(2019.9.11 更新)
メンバー
【植物寄生性線虫防除技術に関する研究成果】
- 有害線虫総合防除技術マニュアル(PDF)
九州沖縄地域の農業現場で問題となる主要な有害線虫とその同定法や生態、防除法を紹介する技術マニュアルです。土壌中に生息しトマト、サツマイモ、スイカ等多くの作物に被害を生じさせるネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ等について、その地理的分布、NA解析(PCR-RFLP法)による同定法、生態、防除法について紹介するとともに、線虫実験のための基本的な手法もあわせて紹介しています。
- 線虫抵抗性ピーマン台木品種育成素材選抜のための接種検定手法マニュアル(PDF)
線虫抵抗性ピーマン台木品種育成素材選抜のための接種検定手法マニュアルです。抵抗性育種に用いる接種検定には標準化された手法が不可欠ですが、線虫の接種法について具体的に説明された資料が日本ではほとんどありません。本マニュアルは、分かりやすく、かつ詳細に説明された初めてのマニュアルです。ピーマンのみならず、さまざまな作物に利用できる手法を紹介しています。