2.土壌理化学性のリスク

土壌養分や硬さが問題となる場合

A.土壌養分

土壌の養分が不足していたり、逆に多過ぎたり、またそのバランスが悪くなっていたりすると、様々な障害が発生します。

できる限り定期的に土壌診断をすることをお薦めします。

土壌を採取して、栄養状態(化学性)についてチェックするために分析を依頼しましょう。

依頼分析結果が戻ってきたら、その結果を見てみましょう。

土壌の栄養状態、養分の過不足への指摘はありましたか?

いいえ
問題ありません
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はい

分析結果についてくる処方箋や都道府県から提供されている土壌改善手順に従って資材の施用量を調整しましょう。

可給態窒素は、「畑土壌の可給態窒素の簡易・迅速評価法」1)により自分で測定することもできます。

可給態窒素の供給力を短期間に上げるのは簡単ではありませんが、有機物施用は最も有効な方法の一つです。「有機質資材の施用効果データベース」2)を参考にしましょう。


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B.土壌の硬さ

麦は、土壌が硬く絞まっていると根張りが悪くなり、水や養分を十分に吸収できません。

写真の麦ほ場では、根がロータリーで耕起した10~12cmくらいより深い層には伸びていません。

土の硬さを測る専用測定器具の「貫入式土壌硬度計」で、この圃場を測定した結果が右上のグラフの青線です。深さ12.5cmで抵抗値が1.5MPa(メガパスカル=圧力の単位)になっていますが、一般に1.5MPa以上になると根の伸長が阻害され、2.5MPa以上になると根がほとんど入らないとされています。

①の貫入式土壌硬度計がない場合は、②か③のどちらかの方法で土の硬さ、締まり具合を調べてみましょう。

①簡易型貫入土壌硬度計

②直径5mm程度のファイバーポールや測量用の鉄ピンの差込みで判断

*①より深くなることがあります。

③深さ30~40cm位の穴を掘ってみて、断面を指先で押して、下のA~Cで判断してみましょう。

a.第1関節くらい

b.少しへこむ

c.痕が少し付く

*③は、山中式硬度計でも確認できます。


土壌の硬さと根の伸長の概要

測定方法 a.根が良く伸びる b.根の張りが悪くなる c.根がほとんど入らない
①貫入抵抗 ~1.5MPa 1.5~2.5MPa 2.5MPa
②ファイバーポール/鉄ピン 片手で軽く入る 両手で力を込めると入る 両手でも入らない
③-1指先で押してみて 第1関節くらいまで入る 少しへこむ程度 痕が少し付く~付かない
③-2山中式硬度計 ~21mm 21~25mm 25mm~

*③の方法は手間が掛かるので、実施する場合は②の方法で複数箇所を調べて、問題がありそうな場所を掘って確かめてみるのが良いでしょう。

「b.根の張りが悪くなる」または「c. 根がほとんど入らない」くらい硬く絞まった層が、表面から20~40cm以内にありますか?

いいえ
はい
サブソイラー・プラソイラー等により心土破砕をしましょう。
詳細はこちらへ

「b.根の張りが悪くなる」または「c. 根がほとんど入らない」 くらい硬く絞まった層が、表面から20cm以内にありますか?

いいえ
はい
チゼルプラウ、深耕ロータリー等により硬い層まで破砕しましょう。
詳細はこちらへ

作業にあたっては、以下の点に留意して下さい。

①破砕する目的の深さより浅い所に礫が多い場合は、止めましょう。

②心土破砕、深耕により地耐力が不十分となる場合は、作業方法を検討しましょう。

③破砕する層よりも下層の透水性が高い場合は、復田時に漏水する危険があります。


有機物の投入

堆肥の施用量が増えると、土壌の孔隙率(すきま)が増え、根が伸びやすくなります。また、砕土性の向上も期待できます。

堆肥の施用量が土壌の孔隙率に及ぼす影響

土が硬くならないように投入する有機物は、長期的に物理性が改善される有機物が効果的です。「有機資材の施用効果データベース」2)も参考にしてください。

また,作物残渣や緑肥の鋤込みも積極的に行いましょう.

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脚注

1)可給態窒素の測定法

水田土壌であっても畑転換した場合は、水田用より畑用の測定法の方が適合します。下記をクリックすると「畑土壌可給態窒素の簡易・迅速評価法」のダウンロードが始まります。

「畑土壌可給態窒素の簡易・迅速評価法」


2)有機質資材の施用効果データベース

有機質資材の施用効果データベースは農林水産省委託プロジェクト研究【収益力向上のための研究開発】における「課題名:生産コストの削減に向けた有機質資材の活用技術の開発」の協力を得て、「課題名:多収阻害要因の診断法及び対策技術の開発」で開発したものです。順次、拡大公開していきます。

「有機質資材の施用効果データベース」はこちらから