4.雑草害

雑草はどのようなほ場でも発生しますが、一定以上になると大きな減収要因になるだけでなく、種子混入により等級を落とす要因にもなります。

前回麦を作付けしたときの雑草の状況と作付体系を確認しましょう。

前回このほ場で麦を作付けしたときの雑草の状況は?

前々作と変わらず、雑草害がない
雑草については問題ありません。現在の防除体系を継続してください
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前々作より増えた・例年雑草害がある

次の写真を参考に、問題となっている草種と作付体系(水田輪作または固定畑)などを確認して、それぞれのグループに適した対策を行いましょう。

解説図の見方

グループ番号-番号.草種名

分布範囲

問題になる作付体系

主な出芽時期

繁殖方法

地域 水田、畑 春、秋 種子、地下茎

雑草害の要因と対策

※以降の解説は上のような内容で示されています。

雑草害の要因と対策:一覧

グループ①一般的な秋生えの雑草

1.ナズナ、2.ノミフスマ

グループ②一般的な秋生えの雑草のうち、イネ科

1.スズメノカタビラ、2.スズメノテッポウ、3.カズノコグサ

グループ③土壌処理除草剤のみでは防除が難しい広葉雑草

1.カラスノエンドウ、2.ヤエムグラ

グループ④有効な除草剤の乏しい難防除イネ科雑草

1.ネズミムギ、2.カラスムギ

グループ⑤春に出芽する広葉雑草

1.タデ類、2.シロザ

グループ⑥地下茎で増殖し、春から萌芽・生育する多年生雑草

1.スギナ、2.ヨモギ、3.コヌカグサ(レッドトップ)

グループ①~⑥にどれにあてはまらるか分からない場合

なお、複数の草種が生えている場合は、最も多い雑草に適した対策から始めましょう。

雑草害の対策についての全般的な事項

麦の播種前に生育している雑草は、耕起あるいは非選択性茎葉処理除草剤で完全に防除しましょう。

雑草の侵入防止・次作での発生源の予防のため、畦畔際・明渠部分の雑草防除は、畦間、ほ場周縁部に登録のある非選択性茎葉処理除草剤で防除しましょう。

グループ①一般的な秋生えの雑草

①-1.ナズナ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 水田+畑 秋生 種子

①-2.ノミフスマ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 水田+畑 秋生 種子

グループ①の雑草害の要因と対策

多発の主な要因:土壌処理除草剤の効果不足

早めの排水対策で砕土率を向上させ、土壌処理除草剤の効果を十分発揮させましょう。

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グループ②一般的な秋生えの雑草のうち、イネ科

②-1.スズメノカタビラ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 水田+畑 秋生 種子

②-2.スズメノテッポウ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
東北以南 水田 秋生 種子

②-3.カズノコグサ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
東海以西 水田 秋生 種子

グループ②の雑草害の要因と対策

多発の主な要因:土壌処理除草剤の効果不足と高密度の雑草種子

早めの排水対策で砕土率を向上させ、土壌処理除草剤の効果を十分発揮させましょう。かつ種子を減らす総合的管理をしましょう。

(総合版29ページも参照してください。)

*3年以上同じ成分の除草剤を連用し、特定の草種が目立ってきた場合は成分を見直しましょう。

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グループ③土壌処理剤のみでは防除が難しい広葉雑草

③-1.カラスノエンドウ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
東北以南 秋生 種子

③-2.ヤエムグラ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
東北以南 秋生 種子

グループ③の雑草害の要因と対策

多発の要因:種子が大きく、出芽期間が長いため土壌処理除草剤のみでは効果不足

土壌処理除草剤に加えて、生育期に広葉雑草に効果のある茎葉処理除草剤を散布しましょう。

*収穫前にカラスノエンドウが残草している場合は子実への種子混入防止のため手取除草をしましょう。

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グループ④有効な除草剤の乏しい難防除イネ科雑草

④-1.ネズミムギ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
東北以南 秋生 種子

④-2.カラスムギ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
東北以南 秋生 種子

グループ④の雑草害の要因と対策

多発の要因:畑条件での麦類の連作、効果的な除草剤の不足

除草剤の体系処理、作付体系の変更をしましょう。

  • ネズミムギ:除草剤体系処理での対処(総合版29ページを参照してください。)
  • カラスムギ:畑連作から水田輪作への転換、夏期の深耕による種子の埋没、ジャガイモ、野菜類等、春期に耕起する作物への転換

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グループ⑤春に出芽する広葉雑草

⑤-1.タデ類

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 水田+畑 春生 種子

⑤-2.シロザ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 水田+畑 春生 種子

グループ⑤の雑草害の要因と対策

多発の要因:ムギ類の出芽不良・播種遅れによる初期生育の不良

麦の出芽率を向上させる管理をするとともに、効果持続期間の長い茎葉兼土壌処理除草剤(チフェンスルフロンメチル剤)の生育期処理をしましょう。

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グループ⑥地下茎で増殖し、春から萌芽・生育する多年生雑草

⑥-1.スギナ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 春生 地下茎

⑥-2.ヨモギ

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
全国 春生 地下茎

⑥-3.コヌカグサ(レッドトップ)

分布範囲 問題になる作付体系 主な出芽時期 繁殖方法
北日本 春生 地下茎

グループ⑥の雑草害の要因と対策

多発の要因:畑条件での連作に伴う圃場内の地下茎のまん延

  • 水田輪作への転換をしましょう。
  • 収穫後の耕起回数を増やしましょう。
  • 雑草生育期の非作付け期間、圃場周縁部に非選択性茎葉処理除草剤を散布しましょう。
  • スギナ、ヨモギの場合は、雑草の萌芽・初期生育期に広葉雑草用の除草剤(MCP)を散布しましょう。

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①〜⑥のどれにあてはまるか分からない場合

上の写真の中に該当するものが無い場合は、専門機関などに問い合わせましょう。

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