農家の庭先でできる牛ふん・豚ふん堆肥中全カリ・全リン酸の簡易分析法


[要約]

牛ふん・豚ふん堆肥中の現物中全カリ・全リン酸含量は、希硫酸抽出後、小型反射式光度計(RQflex)を用いることにより簡易・迅速に推定できる。

[キーワード] 牛ふん堆肥、豚ふん堆肥、全カリ、全リン酸、小型反射式光度計(RQflex)
[担当] 新潟農総研・畜産研・環境・飼料科
[連絡先] 0256-46-3103
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

家畜ふん堆肥は有機物施用による土壌改良としての役割も重要であるが、有機物の施用効果に加えて堆肥中の肥料成分を評価し有効利用することが必要である。堆肥中のリン酸とカリ成分は含量が多いにも関わらず、堆肥生産農家間のばらつきが大きく、また成分測定が難しいため、ほとんど評価されていない。資源リサイクルの観点から堆肥中のリン酸、カリ成分の有効利用が必要である。しかし、全カリ及び全リン酸の簡易分析法がないため、成分把握は難しい。そこで、希硫酸抽出と小型反射式光度計(RQflex)を組み合わせた全カリ・全リン酸の簡易・迅速分析法を開発した。

[成果の内容・特徴]

  1. 分析法を図1に示す。全カリと全リン酸は同一の抽出原液で分析できる。
  2. 得られたRQflex値により、各成分含量が求められる。
        現物中全カリ%=1.981×RQ値-0.2873
        現物中全リン酸%=0.00178×RQ値×希釈倍率+0.2798
  3. 全カリ、全リン酸ともそれぞれのRQflex値と公定法(原子吸光分析法)との相関係数が0.98以上と高く良く一致する(図2図3)。
  4. 全カリは鶏ふん堆肥についても同一検量線上で推定可能である(図2)。
  5. 短時間(30分以内)で測定でき、RQflex以外の特別な機器を必要としないので、農家の庭先でも利用可能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. リン酸分析時の希釈は、概ね牛ふん堆肥で10~20倍、豚ふん堆肥で40倍が良い。表示値が100を越えた場合、希釈倍率を高くし測定し直す。
  2. RQflexでのカリウムの測定は温度の影響を受けるので、必要に応じ、測定時の気温により次式で補正する。
      補正RQflex値=(-0.0123T+1.2635)×RQflex値+(0.0021T-0.0577)
      T:気温(℃)
  3. 硫酸抽出液の希釈水とリン酸測定時の希釈水は通常、水道水で十分であるが、必要に応じてRQflexでブランク値を求める。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:21世紀を目指した農山漁村におけるエコシステム創出に関する技術開発
(生ゴミ、キノコ廃床等と家畜ふんの混合堆肥の評価技術の開発)

予算区分

:国委託

研究期間

:2001年度

研究担当者

:小柳渉、安藤義昭、森山則男


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