系統間三元交雑SPF豚のリジン要求量
[要約]
系統間三元交雑SPF豚を用い、飼料中のリジン水準と増体量、飼料要求率および血漿中尿素窒素濃度の関係によりリジン要求量を検討した結果は以下のとおりである。飼料中含量としてのリジン要求量は、去勢豚の肥育前期が0.78%、肥育後期が0.64%、雌豚の肥育前期が0.82%、肥育後期が0.67%である。
| [キーワード] |
系統間三元交雑SPF豚、可消化リジン要求量 |
| [担当] |
静岡中小畜試・養豚研究スタッフ |
| [連絡先] |
0537-35-2291 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・畜産草地 |
| [分類] |
技術・普及 |
[背景・ねらい]
遺伝的改良による発育性の優れた系統豚の利用、あるいは、特定の疾病を排除したSPFシステムを始めとする生産性向上技術の導入により、発育の速い肉豚生産が可能となり、一日平均増体重が1kgを越える肉豚もみられるようになっている。これら肉豚の成長に伴うアミノ酸要求量を明らかにすることにより、発育に応じた必須アミノ酸の給与を実現することができる。そこで本試験では、アミノ酸要求量を明らかにするために、SPF系統間三元交雑豚の去勢雄豚と雌豚を用い、第一制限アミノ酸であるリジンの要求量について検討する。
[成果の内容・特徴]
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系統間三元交雑豚の去勢豚と雌豚を供試し、TDN71%で、粗タンパク質(CP)含量が8.5~21.0%の6種類(リジン含量で0.36~1.11%)を調製し給与する(表1)。各区とも、供試豚の体重が、40、60、80、100kgに達した時点で採血し、血漿中尿素窒素濃度(PUN)を測定する。リジン要求量は、各区の飼料中の各リジン水準における一日平均増体重(DG)、飼料要求率(FC)およびPUNの変化を折れ線モデルへ当てはめて推定する。
- PUNの値は、肥育前期では、リジン含量が0.81%位まで高まるにつれて減少し、それ以上の含量では高くなる。肥育後期では、リジン含量が0.65%位までは横ばい状態で推移し、それ以上の含量では高くなる。DGの値については、肥育前期では、リジン含量が0.98%位までは増加し、それ以上の含量では横ばい状態となる。肥育後期では、リジン含量が0.81%位までは増加し、それ以上の含量では横ばい状態となる。FCの値については、DGとほぼ同様の変化を示す(表2)。
- 飼料中含量としてのリジン要求量を推定した結果、PUN、DG、FCの平均値で去勢豚の肥育前期が0.78%、肥育後期が0.64%、雌豚の肥育前期が0.82%、肥育後期が0.67%である。増体1kg当たりのリジン要求量は、雌豚の肥育後期で19.9gとやや低いが、去勢豚の肥育前後期、雌豚の肥育前期では21.0g前後となる。また、可消化リジン要求量は、16.9gから18.4gとややばらつくが、平均で17.7gである。この値は日本飼養標準の17.3gよりやや高い値である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- アミノ酸要求量の把握により、 効率的なタンパク質給与水準が明らかとなり、糞および尿への窒素排泄量の低減も期待できる。
- 高発育能力豚のアミノ酸要求量基礎データとして、日本飼養標準(豚)の改訂等に活用できる。
[具体的データ]



[その他]
研究課題名
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:高発育能力系統豚における厚脂防止および環境負荷軽減のための飼育管理技術の確立
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予算区分
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:国補(新技術)
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研究期間
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:1998~2000年度
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研究担当者
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:知久幹夫、赤松裕久、河原崎達雄、堀内篤
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発表論文等
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