家畜ふんから製造した炭の性状


[要約]

家畜ふんから炭を作ることができ、その生成量と成分含量は原料に依存し、原料中の組成から推定できる。炭化により肥料成分は水に溶けにくくなる。

[キーワード] 家畜ふん、炭化
[担当] 群馬畜試・環境飼料部・環境課
[連絡先] 027-288-2222
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

未利用有機物は家畜排泄物に加え社会生活や各種産業からも大量に排出されており、農耕地等への還元可能な有機物量にも限界がある。このため、家畜ふんの処理方法として堆肥化以外の利用方法の開発も必要である。この一つとして家畜ふんの炭化処理がある。
家畜ふんを炭化処理すると臭気・重量などの減少や、長期の保存が可能になる。ここでは炭化物の用途を適正に把握するため、家畜ふん炭化物の性状について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 家畜ふん原料中の炭素含有率と、400℃で炭化した場合の重量減少率および炭化後の炭素含有率との間には高い正の相関がある(図1図2)。また、窒素も同様の傾向を示す。
  2. 炭化温度400℃で窒素は50%程度が残存し、リン、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムについては炭化による重量減少がなく、炭化物中に濃縮される(図3)。したがって炭化物中のこれらは原料中の含有量から推定できる。
  3. リンやカリウムは炭化物に濃縮され高濃度になっているにもかかわらず、その水溶性成分はふんと比較しても少なく、一度に流出しない(表1)。窒素も水溶性成分は少ないが、土壌中では微生物の作用により可給態に変化する(図4)。
  4. 製造される炭化物中の成分組成は畜種別に予測でき、堆肥化のように副資材や堆肥化期間などによって影響されないため、炭化条件が同一であれば炭化物の成分にばらつきが少ない。

[成果の活用面・留意点]

  1. 炭化温度によって重量減少率及び炭素・窒素減少量が変化する。
  2. 炭化処理にはコストがかかるため、取り扱い性や品質面での付加価値を向上させる必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:家畜ふんの処理利用支援技術および新たな活用法の開発

予算区分

:県単

研究期間

:1999~2001年度

研究担当者

:浦野義雄、山田正幸、高橋朋子、鈴木睦美

発表論文等

:浦野ら(1999)群馬畜試研報6:107-110


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