生ゴミ堆肥化における油脂分解微生物の利用


[要約]

生ゴミ堆肥化において、油脂成分を分解可能な微生物を利用することで油脂成分の分解促進効果が認められる。

[キーワード] 生ゴミ、家畜糞、堆肥化、微生物、油脂成分
[担当] 東京都畜産試験場・環境畜産部
[連絡先] 0428-31-2171
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考 

[背景・ねらい]

資源リサイクル法の制定により、生ゴミの再資源化は大きな課題となっている。対応策として生ゴミを堆肥化する試みが広く行われているが、生ゴミ中には油脂成分が多く含まれる等、単独での堆肥化を妨げてる様々な要因がある。東京都では、生ゴミと家畜糞を混合して堆肥化しているが、生ゴミの割合が高くなると堆肥化が遅延する問題を抱えている。そこで、生ゴミと家畜糞との混合物を効率よく堆肥化することを目的とし、堆肥素材としての生ゴミの基本的な特質を分析するとともに、微生物を利用した急速堆肥化技術に取り組む。

[成果の内容・特徴]

  1. 生ゴミ一次処理物(生ゴミを高温中で攪拌混合した処理物)の特徴を分析した結果、水分及びpHが低く、油脂成分含有率が高い。肥料成分の中では窒素分が相対的に多く含まれる。含有する微生物の総数は、1,000,000個/gレベルで、種類は限定され、90%以上が高温性のBacillus属である。(表1
  2. 生ゴミ一次処理物を堆肥化した結果、温度は55℃以上の高温域を長期間維持し、pHは堆肥化開始直後5以下に低下、その後アルカリ域まで上昇する。微生物数は、開始直後から細菌数および真菌数が急速に増加する。(図1)(図2
  3. 油脂分解微生物の分離を試み、分離菌の中から55℃で増殖可能な細菌(Bacillus属)を選別した。
  4. 油脂分解微生物を生ゴミ処理物に添加(最終濃度1,000,000個/gレベル)し油脂分解促進効果を測定した。微生物添加区は、対照区と比べて油脂分解速度が約20%速くなることを確認。(図3

[成果の活用面・留意点]

  1. 生ゴミと家畜糞を混合し堆肥化処理をおこなう際、油脂成分による堆肥化遅延を防止することが可能となる。
  2. 生ゴミ中には、今回使用した微生物では分解できない油脂成分が含まれていることが判明している。今後、さらに有効な微生物を検索し、利用する必要があると考えられる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:微生物を利用した堆肥生産試験

予算区分

:都単

研究期間

:2000年度

研究担当者

:森本直樹、河野與一朗、斉藤紅未


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