泌乳前期牛における低蛋白質飼料の給与


[要約]

泌乳前期(乳量40kg/日程度)の飼料として、粗蛋白質15.6%でも乳生産に影響はなく、糞尿中への窒素排泄量低減の可能性が示唆された。

[キーワード] 蛋白質、乳生産、糞尿中窒素排泄量
[担当] 群馬畜試・大家畜部・酪農肉牛課(協定県:千葉畜セ、栃木酪試、東京都畜試、山梨酪試、長野畜試、愛知農総試、新潟農総研)
[連絡先] 027-288-2222
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

飼料中の粗蛋白質(以下CP)含量が少ないと乳生産性が劣るが、逆に多すぎると家畜の健康に悪影響を及ぼし、環境への窒素負荷を増加させる。特に近年、環境への配慮が重要になってきていることから、乳生産を低下させずにどこまでCPの給与量を低減させられるかは、重要な検討課題である。そこで、CP含量の違いが泌乳前期の乳生産性に及ぼす影響を調査した。

[成果の内容・特徴]

  1. 公立試験場8場所で繋養される2産以上の泌乳牛42頭を用いて、分娩後15週間の飼養試験を実施した。試験区は飼料中のCP含量を17.1とした区(CP17%区)、15.6%とした区(15%区)で比較し、TDN含量は77%とした(表1)。
  2. 乳量およびFCM(4%脂肪補正乳)量、乳成分に有意な差はなかった(表2)。
  3. 第一胃内容液性状でも有意な差はなかった(表3)。
  4. 血液性状ではBUN(血中尿素態窒素)は15%区が有意に低かった(表4)。
  5. CPは15.6%であっても、泌乳前期において、高位乳生産(日乳量40kg以上)は可能である。更にBUNの結果から、第一胃内の余剰アンモニア発生量が減少することによる、糞尿中の窒素排泄量低減の可能性が示唆された。

[成果の活用面・留意点]

  1. 高泌乳牛に対し、乳生産と糞尿中窒素排泄量低減を両立させた、飼料設計への活用が期待できる。
  2. 今回はCP2水準のみの比較であるので、適正値を見極めるためには更に多くのデータが必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:高泌乳牛における製造副産物を利用した低コスト生産技術の開発

予算区分 

:県単

研究期間 

:1999年度

研究担当者

:松原英二、木村容子(群馬畜試)、斎藤公一(千葉畜セ)、室井章一(栃木酪試)、内田哲二(東京畜試)、清水景子(山梨酪試)、古賀照章(長野畜試)、佐藤精(愛知農総試)、関誠(新潟農総研)

発表論文等

:第98回日本畜産学会大会(2001)

協力関係 

:(独)農業技術研究機構畜産草地研究所


目次へ戻る