黒毛和種去勢牛における適正な素牛体重
[要約]
黒毛和種去勢牛において、肥育素牛導入時体重が大きいほど枝肉重量が大きくなる傾向がある。肉質等級は導入時体重が290kg前後の場合が最も良好である。
| [キーワード] |
黒毛和種去勢牛、肥育素牛、適正体重 |
| [担当] |
群馬畜試・大家畜部・酪農肉牛課 |
| [連絡先] |
027-288-2222 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・畜産草地 |
| [分類] |
技術・参考 |
[背景・ねらい]
肥育素牛は、骨格が発達し、腹作りのできた牛が望ましいが、子牛市場では見栄えの良い牛が高値で推移していることから過肥傾向にある。
そこで、肥育開始時における体重の違いが発育および肉質に及ぼす影響について、農家調査と肥育試験を実施し、適正な体重について検討した。
[成果の内容・特徴]
- A農場における黒毛和種去勢牛116頭について、導入時体重の違いによる発育および肉質成績について検討した。
- 肥育素牛導入時体重を約270kg(1群)、約290kg(2群)および約315kg(3群)に分けると、導入時体重が大きいほど、枝肉重量も大きくなる傾向がある(表1)。
- 平均枝肉販売金額は2群が820,000円と最も高い。1群は最低の763,000円であり、肥育開始時に体重の小さい牛は販売金額が少ない傾向にある。
- 肉質等級の上物率は74%と2群が最も高い。3群は最低の60%であり、肥育開始時に発育の早い牛(DGの高い牛)は肉質が劣る傾向にある(表1)。
- 但馬系の同一種雄牛を父とする黒毛和種去勢牛8頭を用いて10ヶ月齢時における体重の違いによる発育および肉質に及ぼす影響について肥育試験を実施した。試験区は、開始時に標準的発育をしている区(標準区)とDGの高い区(高DG区)の2試験区を設定し、県内で一般的に使用されている市販配合飼料と稲ワラを給与し、29ヶ月齢で屠畜した。
- 開始時体重の違いによる1日当たり増体量に差は見られなかった(表2)。
- BMS No. および第6-7胸椎間胸最長筋の粗脂肪含量は、肥育開始時において標準的な発育をしている牛に比べ、DGの高い牛の方が少なく、体重が大きすぎる牛は肉質が劣る傾向にある(表3、表4)。
[成果の活用面・留意点]
- 肥育素牛導入時の体重基準として活用できるとともに、繁殖農家における適正な素牛発育基準として活用できる。
- 肥育試験は但馬系種雄牛の産子を用いての成績であることに留意する必要がある。
[具体的データ]




[その他]
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研究課題名
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:肥育効率改善に関する研究
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予算区分
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:県単
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研究期間
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:1998~2001年度
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研究担当者
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:野末紫央、浅田勉、木村容子、阪脇廣美、砂原弘子
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発表論文等
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:1)浅田ら(1999)群馬畜試研報6:8-15
2)阪脇ら(2000)群馬畜試研報7:21-32
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