給与粗飼料の品質が乳用育成牛の発育及び繁殖成績に及ぼす影響


[要約]

3~15か月齢のホルスタイン種雌牛に濃厚飼料を定量給与する場合には、TDN含量が50%と中程度であってもNFC含量が16%の高い乾草を飽食させることで、日本飼養標準に示された乾物量が摂取できるとともに0.8kg/日の増体が得られ、種付け基準とする体格に早く到達する。

[キーワード] 乳用育成牛、乾物摂取量、発育、養分充足率、繁殖成績
[担当] 富山県畜産試験場・酪農肉牛課
[連絡先] 076-469-5921
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

乳用育成牛は、消化器官の発達を促し、体重・体高のバランスのとれたフレームサイズに発育させるため、栄養価が高く嗜好性に優れた粗飼料を十分食い込ませることが重要である。そこで、3~15か月齢の育成牛14頭に濃厚飼料を定量給与し、成分・栄養価の異なるオーチャードグラス主体混播乾草を飽食とした場合の養分充足率、発育及び繁殖成績に及ぼす影響について調査した。

[成果の内容・特徴]

  1. 濃厚飼料を2.5kg/日の定量給与とし、TDN含量が51%、非繊維性炭水化物( NFC)含量が16%及び総繊維(NDF)含量が68%の乾草を飽食させた試験区では、乾物摂取量は日本飼養標準(1999年版・乳牛)に示されたDMI推定式の値にほぼ一致する(図1表1)。
  2. 日本飼養標準から算出した試験区のTDN充足率は通算で85%であったが、体重及び体高は日本ホルスタイン登録協会の標準発育値を上回って推移し、0.84kg/日の増体量が得られる(表2表3)。
  3. 試験区では初回発情月齢が10.7か月齢、種付け基準月齢としている体重350 kg以上かつ体高125cm以上に達した月齢は12.7か月齢となる(表3)。
  4. 繊維成分及び栄養価の劣る乾草を給与した対照区よりも粗飼料摂取量は10~30%多く、DGは0.06kg/日大きくなり、種付け基準とする体格に1.3か月齢早く到達する(表123図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 乳用育成牛における自給粗飼料の利用拡大を指導する上で参考となる。
  2. 自給粗飼料の給与に際しては、地域の飼料分析センターなどを活用し成分及び栄養価を把握する。

[具体的データ]


図1 乾物摂取量の推移
 注) 各月齢とも左:対照区、右:試験区のそれぞれの平均値を示す。
    図中a,b間に1%水準、A,B間に5%水準で有意差あり

[その他]

研究課題名

:高泌乳牛の育成技術確立試験

予算区分 

:国補(畜総)

研究期間 

:1998~2000年

研究担当者

:上田博美、五箇大成、西井 純

発表論文等

:なし


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