高品質牛肉生産における短期肥育技術


[要約]

7ヶ月齢から肥育を開始する場合、肥育前期からDGを高く設定した飼料給与法は、中期以降に高く設定した給与法に比較し肥育期間の短縮が可能である。また、バラ厚が厚く筋肉内脂肪含量も多くなり、26ヶ月齢以上肥育した牛と同等の肉質及び枝肉重量が得られる。

[キーワード] 高品質牛肉、短期肥育、肥育前期、DG
[担当] 富山県畜産試験場・酪農肉牛課
[連絡先] 076-469-5948
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考 

[背景・ねらい]

黒毛和種の肥育経営においては、肉質重視による肥育期間の長期化が生産コストの増加を招いている。そこで黒毛和種去勢牛を用い、7ヶ月齢到達時を0週として24週(12.5ヶ月齢)までを肥育前期、24~48週(12.5~18.0ヶ月齢)を中期、48~72週(18~23.6ヶ月齢)を後期として、肥育前期~中期にかけて高いDGに設定したA区と、肥育中期~後期に高いDGに設定したB区の2区に分け、枝肉重量400kgを目標に、7ヶ月齢から23.6ヶ月齢の計504日間飼養し枝肉成績、肉の理化学的特性等を調査し、効率的短期肥育技術について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 肥育前・中期におけるDGはいずれの給与法も設定値に近い値であったが、後期においてB区は設定値に至らず、肥育終了時の平均枝肉重量が377kg(終了時体重:586.0±57.2kg)と、A区の404kg(終了時体重:626.3±32.6kg)に対し目標重量を大きく下まわった。このことから7ヶ月齢から肥育を開始する場合、飼料を有効に利用し十分な枝肉重量を確保するため肥育前期におけるDG設定等、栄養管理が重要である(表1表2)。
  2. 格付成績においてA区がB区に比べバラ厚、脂肪交雑、ロース芯面積が優れており、胸最長筋の理化学的特性においても、A区で粗脂肪含量が高いことから、A区の方が優れた枝肉成績を得ることができる。(表2表3)。
  3. 皮下及び腎周囲の脂肪酸組成はA区で総不飽和脂肪酸の割合が高く、同一飼料(粗飼料を除く)を用い26ヶ月齢まで肥育した慣行のものと類似しており、24ヶ月肥育においても26ヶ月肥育と同等な脂肪酸組成が可能である(表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 7ヶ月齢から肥育を開始する場合、肥育前期の発育速度を早めることによって、高品質な肉質を確保しながら24ヶ月齢で枝肉重量400kgが期待できる。
  2. 短期肥育においてさらなる枝肉重量、肉質を確保するためには、育成段階における粗濃比の設定等、飼料給与法についても検討する必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:高品質牛肉生産技術の確立

予算区分

:県単

研究期間

:1998~2000年度

研究担当者

:沖村重雄、村田勝己

発表論文等

:なし


目次へ戻る