混合精液を用いた種雄豚の後代検定


[要約]

混合精液を用いて一腹から複数の種雄豚の産子を得て、父親はDNAにより親子判定を行った産子の肥育試験を行ない、種雄豚3頭の能力判定を行ったところ、種雌豚の効果を取り除くことができたためより正確な能力把握ができた。

[キーワード] 種雄豚、混合精液、能力判定
[担当] 群馬畜試・中小家畜部・養豚養鶏課
[連絡先] 027-288-2222
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

種豚の遺伝的能力を把握するためには、交配する種雌豚の影響(季節・産次も含む)が大きく正確な能力比較には困難が伴う。また直接検定は早期に能力判定ができるが、と体形質や遺伝的能力を把握するには不十分である。そこで同一種雌豚から同時に複数種雄豚の産子が得られる混合精液を用いて、種雄豚の能力把握とその正確性について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 当場繋養種雄豚D種3頭(種雄豚A,B,C)の混合精液を、12頭の系統造成L種雌豚に人工授精し、LD産子86頭を得た。このうち、一腹内で複数雄の産子が得られたもの45頭(表1)について発育・枝肉調査を行い、その成績を最小二乗法プログラムLSMLMWを用いて解析した。種雌豚ごとの成績のばらつきが大きいにもかかわらず、種雄豚ごとの成績においては4週齢までの初期発育、枝肉歩留、背脂肪厚について有意差がみられた(表2)。
  2. 枝肉上物率においても種雄豚ごとの成績に差がみられ、種雄豚Aが最も高く種雄豚Cが最も低かった(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 混合精液を用いると一度の分娩で異なる種雄豚の産子を得ることができ、優良種雌豚を効率的に活用できる。
  2. 混合精液を用いることにより、種雌豚の効果を取り除くことができるため、少数の種雌豚の産子で種雄豚の能力を把握できる可能性が示唆された。
  3. 今回は雑種での検討であり、純粋種でもこのような手法で能力判定を行うことができるか検討する必要がある。

[具体的デ-タ]

[その他]

研究課題名 :生物工学的手法を用いた家畜の新育種技術の開発
予算区分 :県単
研究期間  :1999~2001年度
研究担当者 :松本尚子、加藤一雄、北爪浩三
発表論文等 :松本ら(2001)群馬畜試研報8:投稿中

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