子豚飼料における耐酸性オリゴ糖入り粉末の抗菌性物質代替作用


[要約]

オリゴ糖製剤の一つである耐酸性オリゴ糖入り粉末(デキストラン発酵副産シロップ)または抗菌性物質を飼料に添加し、子豚の発育を比較したところほぼ同等の発育促進効果が得られ、耐酸性オリゴ糖入り粉末は抗菌性物質を代替できる可能性が高いものと考えられる。

[キーワード] 耐酸性オリゴ糖、抗菌性物質、豚、発育促進
[担当] 愛知県農業総合試験場・畜産研究所・豚育種研究室
[連絡先] 0561-62-0085
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

子豚用飼料には、疾病予防および発育促進を目的とした抗菌性物質が添加されているが、それらに代わるものとしてオリゴ糖が注目されている。オリゴ糖製剤の一つである耐酸性オリゴ糖入り粉末(デキストラン発酵副産シロップ)は、非常に強い耐酸性を示し、有効成分の大部分が胃で分解されないため、効果的に子豚の整腸作用をもたらし、発育促進に強く関与することが期待される。そこで、耐酸性オリゴ糖入り粉末を飼料添加し、子豚の発育に与える影響について調査した。

[成果の内容・特徴]

  1. 試験用飼料に耐酸性オリゴ糖入り粉末を0.5%添加した飼料(T区)、抗菌性物質(表1)を市販の飼料に準じて添加した飼料(A区)、および無添加の飼料(C区)を生後3~9週齢の期間に給与し、増体重と飼料要求率、糞中の大腸菌群とビフィズス菌数、および安全性の1つの指標として、血清酵素(GOT、GPT)を測定し、比較した(2頭群飼4腹:計24頭)。  
  2. T区およびA区の増体重と飼料要求率は、C区に比較して優れる傾向がある。また、T区とA区を比較すると、ややA区の増体が優れているが、飼料要求率はほぼ同じである(表2)。
  3. T区のビフィズス菌数は、C区と比較して常に高い菌数を維持し、大腸菌群数はC区と比較して常に低く推移する。一方、A区ではC区と比較してビフィズス菌数と大腸菌群数共に低値である(図1)。
  4. GOT、GPTの値はすべて正常範囲内であったが、A区は試験経過と共にやや上昇する傾向が見られる(図2)。
  5. 以上の結果から、耐酸性オリゴ糖入り粉末は抗菌性物質同様、子豚の発育を促進する効果があると考えられる。また、抗菌性物質はビフィズス菌など有用菌の抑制や生体へ悪影響を及ぼすことが懸念されるが、これが懸念されない耐酸性オリゴ糖入り粉末は抗菌性物質の代替の可能性が高いものと考えられる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 現地調査(養豚農家など)により耐酸性オリゴ糖入り粉末の効果の確認および経済性についての検討を行う必要がある。ちなみに今回の試験でC区、A区、およびT区に給与した飼料の価格は1トンあたり30,450円、34,100円および31,950円であり、耐酸性オリゴ糖入り粉末は抗菌性物質よりも低コストで利用できる。 
  2. 経済性にも絡むが、耐酸性オリゴ糖入り粉末の有効な使用期間および最適添加量についても検討する必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :系統豚利用技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1993~2000年度
研究担当者 :田島茂行、安藤康紀、栗田隆之
発表論文等 :1)田島ら (2000) 愛知県農業総合試験場研究報告 32:225-228
  2)田島ら (2001) 愛知県農業総合試験場研究報告 33:(未定)

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