冬作飼料作物における播種時期の移動と生産性


[要約]

冬期を中心として冬作飼料作物の播種時期を移動すると、10月下旬~11月上旬および年明け3月の播種で乾物収量が高い。11月下旬~翌1月の播種は、エンバクとイタリアンライグラスでは実用的収量が得られないが、ライムギでは適用できる。

[キーワード] 冬作物、極早生品種、播種時期、期間借地、遊休農地
[担当] 千葉畜総研・生産環境部・飼料研究室
[連絡先] 043-445-4511
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

自給飼料増産を推進するうえで、冬作不作付地をはじめ、耕種畑における耕作放棄地および不作付地、水田裏作、休耕田等の有効利用の多くは期間借地による栽培が想定されるため、飼料作物の生育期間を柔軟に対応させることが必要である。
そこで、代表的な冬作飼料作物3草種(ライムギ、エンバク、イタリアンライグラスの極早生品種)について、10月下旬~4月上旬の範囲で播種時期を移動し、生育期間と生産性を把握する。

[成果の内容・特徴]

  1. ライムギは、10月下旬~11月半ば、12月下旬~1月上旬、および3月の播種における収量性が高い。11月末~12月半ば、1月下旬~2月下旬、4月上旬播種の乾物収量は10月下旬播種の50~80%に低下するが、冬期を中心とした播種時期の移動に対する適応が3草種の中で最も高い(表1上段)。
  2. エンバクは、10月下旬~11月半ば、および2月下旬~3月下旬の播種における収量性が高い。11月下旬~2月上旬、および4月上旬の播種は、出芽不良による裸地化あるいは雑草が優占し、実用的収量が得られない(表1中段)。
  3. イタリアンライグラスは、10月下旬~11月上旬、および3月の播種において1番草の収量性が高い。11月下旬~1月下旬の播種は、裸地化や雑草発生によって実用的収量が得られない(表1下段)。
  4. いずれの草種も10月~11月上旬播種と年明け3月播種で収量性が高まるが、11月末~1月の播種は耐寒性の強いライムギのみが適用できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 冬期を中心として冬作飼料作物の播種時期を移動した場合の、実用的に生産可能な生育期間と収量の目安となる。簡易播種技術やロールベール調製技術と組み合わせ、省力的な生産に活用する。
  2. 千葉県八街市の気温条件(図1)、および極早生品種を対象としての結果である。気象条件や品種が異なる場合には留意が必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :生育期間拡大による飼料作物の生産性向上技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998~2000年度
研究担当者 :青木ひかる、唐仁原景昭、福田征二、堀田正樹

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