イタリアンライグラスにおける播種時期の移動と番草別の生産性
[要約]
冬期を中心にイタリアンライグラスの播種時期を移動すると、品種の早晩性にかかわらず9月~11月中旬播種と2月~3月半ば播種の乾物収量が高く、いずれも3番刈りまで可能である。12月~1月の播種は出芽および生育が不良で、低収である。
| [キーワード] |
イタリアンライグラス、播種時期、収穫時期、番草、遊休農地 |
| [担当] |
千葉畜総研・生産環境部・飼料研究室 |
| [連絡先] |
043-445-4511 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・畜産草地 |
| [分類] |
技術・参考 |
[背景・ねらい]
イタリアンライグラスの生産では播種と収穫の2大作業ピークがある。ロールベールの利用は大面積における収穫作業の省力化を実現し、多回刈りにも柔軟に適用できるので、さらに播種作業の分散を図りたい。また、遊休農地を有効利用する場合、多くは期間借地による栽培が想定され、飼料作物の生育期間を対応させる必要がある。
そこで、早晩性の異なるイタリアンライグラスの播種時期限界を知り、それぞれの生育期間と番草別の生産性を把握する。
[成果の内容・特徴]
- 9月~翌年4月までの異なる播種時期による乾物収量の増減は、極早生品種(供試品種サクラワセ)、早生品種(同ワセアオバ)、晩生品種(同エース)のいずれも、各番草においてほぼ同様の傾向で変動する(図1、図2、図3)。
- 9月~10月初めまでの播種は、年内刈りが可能で、年明け3番草までの合計収量が最も高い。
- 10月中旬~11月中旬の播種は、1番草の収量が最も高く、合計収量も高い。
- 12月から1月の播種は、出芽不良と生育不良および雑草の多発により実用的収量が得にくい。
- 2月~3月半ばの播種では3番刈りまで可能で、1番草の収量が秋播きの65~75%程度、合計収量でも同60~70%程度に達する。
- 4月播種では2番刈りまで可能だが、合計収量は低下する。
- 秋播きと春播きそれぞれに、収量性のピークが存在する。秋播きでの収穫時期の目安は、1番が4月中旬~5月上旬、2番が5月下旬、3番が6月下旬。春播きでの目安は、1番が5月中旬~下旬、2番が6月上旬~中旬、3番が7月上旬~中旬。
[成果の活用面・留意点]
- 実用的に生産可能な生育期間と番草別収量の目安とし、簡易播種技術やロールベール調製技術と組み合わせた省力生産に活用する。
- 収穫時の水分含量は春播きのほうが高い。冠さび病等の病害は6月から発生が目立つが、晩生品種の抵抗性が比較的強い。
- 千葉県八街市の気温条件(図4)での結果であるため、異なる地域での適用には留意が必要である。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:生育期間拡大による飼料作物の生産性向上技術の確立 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:1998~2000年度 |
| 研究担当者 |
:福田征二、青木ひかる、大木捷充、堀田正樹 |
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