ワルナスビ発生トウモロコシ畑におけるグリホサート秋季処理の効果


[要約]

ワルナスビ発生トウモロコシ畑において、トウモロコシ収穫後のワルナスビ切断株からの再生茎に対して、グリホサートを散布することにより、翌春の発生が抑制できる。また、耕耘後の切断根片から萌芽した芽の多くは奇形芽となる。

[キーワード] ワルナスビ、トウモロコシ畑、グリホサート、雑草
[担当] 三重科技セ・畜産研究部・大家畜グループ
[連絡先] 0598-42-2029
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

 永年草地の強害多年生雑草とされていたワルナスビは、近年ではトウモロコシ畑等の耕地にも侵入しつつあり、耕耘等による土壌攪乱により急速に蔓延することが懸念されている。そこで、トウモロコシ作を放棄することなくグリホサートを施用した場合の効果を地上部と地下部について明確にする。

[成果の内容・特徴]

  1. グリホサートの施用時期はトウモロコシ作を放棄しないために、収穫後の秋季に施用することを前提に、トウモロコシの収穫(8月中旬)と同時に刈り取られたワルナスビ切断株からの再生茎を対象とし、地上部が降霜により枯れ上がる前の開花~結実期に達する10月下旬とする(図1)。
  2. グリホサートを秋季に処理することにより、約7ヶ月後(翌春5月下旬)のワルナスビ地上茎の発生本数を著しく減少させ、その生育量も抑制することができる。その後、トウモロコシ播種準備のための耕耘により地下部は切断され、根片から新たに出芽が始まるが、トウモロコシ収穫時期(8月下旬)においても地上茎の発生本数は無処理の場合よりも著しく少なくなる(図1)。
  3. グリホサートはワルナスビ地下部の長さと重量を減少させるが主根は太くする。これはグリホサート処理により根の分枝が抑制されるため、主根が太くなると考えられるが、根系全体としての発達は抑制される(図2)。
  4. グリホサート処理をした切断根片(20cm)からの出芽は、無処理の根片と比較して開始時期が著しく遅れる(図3)。これはグリホサートが同化産物とともに根部に移行集積し、萌芽時に新芽の分裂伸長を阻害するためと考えられる。
  5. グリホサート処理をした切断根片からの出芽率も埋設後80日目には85%以上になるが、その芽の50%程度は主に多萌芽現象と呼ばれる奇形芽である(図3)。この多萌芽現象が認められた根片から出芽した地上茎の生育は極端に抑制され、無処理の地上茎では10月下旬までに果実を形成するのに対して、グリホサートの影響を受けた根片から生育した個体は果実の形成には至らない。

[成果の活用面・留意点]

  1. トウモロコシ畑に侵入したワルナスビの化学的防除法として、トウモロコシの作付けを放棄することなくワルナスビの発生を抑制するのに活用できる。
  2. 本試験の追跡調査(図1)においてグリホサート(1000ml/10a)を3年間連年施用した場合でも、発生本数は抑制できるが群落全体を完全に枯死させることはできない。
  3. グリホサートの散布時期は同化産物が根部へ活発に移行する開花から結実期が効果的と考えられるが、ワルナスビ地上茎の切断後の生育は地域により異なる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :飼料作物圃場における多年生外来雑草の生育特性と防除技術
予算区分 :県単
研究期間 :1999~2001年度
研究担当者 :浦川修司、小出勇
発表論文等

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