ランドレース種育成豚の蹄形状の変化と蹄にかかる体重負荷重量の推移
[要約]
豚では、体重が30kgから90kgまでの底面積、蹄底長、蹄底幅および底長は、いずれも体重が増えるに従い大きくなるが、蹄形状の相対的な成長に変化はなく、内外蹄比率も変化しない。また、四肢の底面積1平方cm当たりの平均負荷重量は、30kgから60kgまでの増加量が、60kgから90kgまでの増加量より著しく大きい。
| [フリーキーワード] |
豚、蹄、底面積、蹄底長、蹄底幅、底長、内外蹄比率 |
| [担当] |
千葉畜総研・生産技術部・養豚養鶏研究室 |
| [連絡先] |
043-445-4511 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・畜産草地 |
| [分類] |
科学・参考 |
[背景・ねらい]
これまで、豚の内外蹄比率(内側蹄底面積/外側蹄底面積)が、肢蹄の強健性に影響を与えることを明らかにした。しかし、骨や筋肉が最も発達し体重が著しく増加する育成段階において、その負荷が蹄の形状に対してどのような影響を及ぼすのかは、明らかでない。そこで、ランドレース種100頭(雄35頭、雌65頭)を用い30kg、60kgおよび90kgにおける蹄の形状を測定(図1)し、併せて四肢の底面積1平方cm当たりの平均負荷重量について調査した。なお、供試豚は、生後7週以降コンクリート床の豚房で飼育した。
[成果の内容・特徴]
- 底面積、蹄底長、蹄底幅および底長は、いずれも体重が増えるに従って大きくなった(表1)。
- 前肢、後肢とも、30kgから90kgまでの間に、底面積で約2.0倍、蹄底長・蹄底幅で約1.5倍、底長で約1.4倍に成長した。また、面積、長さとも30kgから60kgまでの成長率が、60kgから90kgまでの成長率より高い値を示した(表1)。
- 蹄底面積、蹄球面積および底面積は、前肢、後肢とも、いずれの時点(30kg・60kg・90kg)でも外側蹄が内側蹄より大きな値を示した。また、各体重間の底面積の相関係数は、いずれも正の相関が認められた(P<0.05、P<0.01)。
- 内外蹄比率は、いずれの時点でも前肢が後肢より大きな値を示した。また、各体重間の内外蹄比率の相関係数は、いずれも正の相関が認められた(表2)。
- 蹄底幅は、前肢、後肢ともいずれの時点でも外側蹄が内側蹄より大きな値を示した。底長は、後肢でいずれの時点でも外側蹄が内側蹄より大きな値を示した。また、各体重間の蹄底長、蹄底幅および底長の相関係数は、いずれも正の相関が認められた(P<0.05、P<0.01)。
- 四肢の底面積1平方cm当たりの体重負荷重量は、体重が増加するに従い増加し、特に30kgから60kgでの負荷重量の増加量が、60kgから90kgの増加量より著しく大きな値を示した(図2)。なお、発育日数は、30kgから60kg、60kgから90kgともに40日前後と差は認められなかった。
[成果の活用面・留意点]
- 体重30kgから60kgまでの間は、60kgから90kgまでよりも底面積1平方cm当たりの体重負荷重量が多いので、肢蹄のケアに対して特に重要な時期であることが示唆された。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:ランドレース種の系統造成試験 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:1998~2003年度 |
| 研究担当者 |
:高橋圭二、一円央子、大澤浩司、園原邦治、内藤昌男、井口元夫、斉藤庸二郎 |
| 発表論文等 |
:高橋ら(2001) 第75回日本養豚学会 |
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