鶏における内分泌撹乱化学物質(TCDD)の影響
[要約]
横斑プリマスロックの雌に2,3,7,8-TCDDを接種し、ロードアイランドレッドの雄と人工授精して得られた受精卵をふ化し、TCDDの影響を調査した。その結果、母鶏へのTCDD暴露は産卵を抑制し、ふ化率、卵質や次世代のヒナの性比に影響を与えることが解った。
| [キーワード] |
鶏、内分泌攪乱物質、TCDD、ふ化率、性比 |
| [担当] |
静岡県中小家畜試験場・養鶏研究スタッフ |
| [連絡先] |
0537-35-2291 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・畜産草地 |
| [分類] |
科学・参考 |
[背景・ねらい]
一般的に環境ホルモンといわれる内分泌攪乱化学物質は従来の計測器では検出されないきわめて低い濃度で次世代におよぶ生障害をもたらす。これら化学物質の生殖機能への影響を本研究で確立したニワトリの評価系を用いて調査する。
[成果の内容・特徴]
- 育成期の横斑プリマスロックの雌に14週齢から23週齢の間、週1回、2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)を筋肉内に接種し、26週齢からロードアイランドレッドの雄と交配し、得られた受精卵をふ化した後、ふ化率、遺伝子型及び表現型の性を調査し、さらに一部は卵重、卵質を調査した。
- 母鶏への TCDD 暴露 (50 and 200 ng/kg/week) は産卵を抑制したが、TCDD投与を中止したところ産卵は回復した(図1)。
- 200 ng区のふ化率は、対照区より低く、このことは 母鶏への TCDD暴露が、ふ化に影響したことを示唆した(図2)。
- 遺伝子型性は、対照区、 TCDD区ともに表現型性と完全に一致した。しかしながら、 200 ng区の性比 (雄 %) は対照区より高い傾向を示した(図3)。
- さらに、TCDD 暴露は 200 ng区で卵殻を厚くした(図4)。
- これらの結果から、母鶏への TCDD 暴露 は産卵を抑制し、ふ化率、卵質や次世代のヒナの性比に影響を与えたことが解った。
[成果の活用面・留意点]
- 内分泌攪乱化学物質の生物へ与える影響の基礎データとする。
[具体的データ]


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[その他]
| 研究課題名 |
:鶏における内分泌撹乱化学物質の影響評価と抑制物質の検討 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:2001~2003 年度 |
| 担当者 |
:松下幸広、池谷守司 |
| 発表論文等 |
:なし |
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