長期間保存したニワトリ凍結精液によるヒナ生産


[要約]

長期間保存後もニワトリ凍結精液の精子活力は良好で、受精率及びふ化率はそれぞれ約80%、約90%と高く、ヒナ活力も十分で、保存期間の違いによる差がみられなかった。凍結精液技術はニワトリにおいても品種・系統の保存、繁殖、育種改良に有効である。

[キーワード] ニワトリ凍結精液、長期間保存、精子活力、受精率、ふ化率、ヒナ活力
[担当] 愛知農総試・養鶏研究所・育種研究室
[連絡先] 0561-62-0085
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 科学・参考

[背景・ねらい]

1980年代後半から国や県の試験研究機関はニワトリ凍結精液の実用化技術の開発に取り組んできた。しかしその中で保存期間に関する検討は少なく、長期間保存後に利用した例がみられない。そこで液体窒素内で長期間凍結保存した精液を用いてその精子活力、受精率、ふ化率及び発生したヒナの活力について調査し、ニワトリ凍結精液が長期間保存後のヒナ生産に利用可能か検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 精液採取液、凍結保護液及び融解用希釈液はLake液を使用した(表1)。
  2. 凍結精液の作成・保存は精液を名古屋種雄から採取し、希釈して金属製アンプルに充填後、プログラムフリーザーで凍結し、液体窒素内に保管した。
  3. 凍結精液の融解処理、人工授精は、凍結直後、約1年後、約7年後及び10年を越えた長期間保存後に行った。
  4. 凍結直後から10年を越えて保存した凍結精液まで、保存期間の違いによる差はみられず、約7年後及び10年を越えて長期間保存した凍結精液においても精子活力は比較的良好で、受精率及びふ化率はそれぞれ約80%、約90%と高く、ヒナ活力も対照と同様であった(表2)。
  5. これらのことから、長期間凍結保存後のニワトリ精液がヒナ生産に十分利用できることが示された。

[成果の活用面・留意点]

 ニワトリ凍結精液が長期間保存後のヒナ生産に有効利用できることから、品種・系統の保存や繁殖及び育種改良などに活用できる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :鶏精液の凍結保存及び利用技術の開発
予算区分  :国補(凍結精液実用化推進)
研究期間  :1999~2000年度
研究担当者 :宮川博充、大塚勝正、野田賢治、木野勝敏、中村明弘、水野銈一郎、梅澤吉孝
発表論文等 :宮川博充ら,愛知農総試研報,33,掲載予定

目次へ戻る