くりの超低樹高栽培における優良結果母枝確保のための夏季せん定


[要約]

くりの超低樹高栽培において、新梢伸長期の7月中旬に翌年必要とする結果母枝数の2倍量(約60本)の結果母枝候補枝を残し他を全てせん除する夏季せん定により、優良な結果母枝が得られるとともに冬季せん定作業も省力化できる。

[キーワード] くり、超低樹高栽培、結果母枝候補枝、夏季せん定、冬季せん定、省力化
[担当] 岐阜中山間農技研・中津川分室
[連絡先] 0573-68-2036
[区分] 関東東海北陸農業・果樹
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

くりの主枝のカットバックとせん定法改善による超低樹高栽培においては、毎年優良な発育枝(翌年の結果母枝候補枝)を確保することが安定生産のために重要である。そこで、夏季せん定による結果母枝候補枝の資質向上効果について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 夏季せん定は、骨格枝の主幹付近を除いた位置から発生した長さ1~1.5m程度の発育枝を翌年必要とする結果母枝数の2倍量に相当する約60本残し、他の発育枝は手の届く範囲内ですべてせん除する。これにより雌花数・着毬数が多い優良な結果母枝を得ることができる(表1図1)。この際、新梢基部は軟らかいため、手で掻き取ることができる。
  2. 夏季せん定の時期は、発育枝の二次伸長が少なく、先端部がよく充実する新梢伸長期の7月中旬が適当である(表2)。
  3. 夏季せん定には、25年生樹で1樹あたり8分、10a当たり換算で5時間20分を要するが、無処理に比べ冬季せん定の時間が約40%(10a当たり7時間20分)短縮され、せん定時間全体で12%の省力化が可能となる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 対象は、カットバックしせん定位置が2.5m程度となった超低樹高栽培樹とする。
  2. 冬季せん定は、原則として当年使用した結果母枝を全てせん除し、夏季せん定で残した発育枝の中から長さが1.5m前後で先端が太く充実したものを結果母枝として残す。結果母枝密度は、栽植密度5m×5m(40本/10a)の成木の場合、樹冠占有面積1平方メートル当たり3本(1樹当たり約30本)とする。
  3. 健全な樹の場合、本夏季せん定を連年実施しても樹勢に影響は見られない。しかし、発育枝の過度なせん除は骨格枝の日焼けを招く場合があるため注意する。
  4. 夏季せん定時のせん定枝は、堆積しておくと腐敗し処分できる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :クリの超低樹高栽培による省力・高品質生産技術
予算区分 :県単
研究期間 :1997~2001年
研究担当者 :研究担当者:神尾真司、柳瀬関三
発表論文等 :神尾・柳瀬 園芸学会平成14年度春季大会発表予定

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