晩生で貯蔵性が高く良食味の赤なし新品種「歓月」
[要約]
「新高」に「新星」を交雑し、日本なし新品種「歓月」を育成した。「新高」に続いて「愛宕」より10日程度早く収穫できる晩生の赤なし品種で、果重は700g程度の大果となり、果肉質が優れている。氷温でおよそ5か月間の高い貯蔵性がある。
| [キーワード] |
日本なし、晩生、赤なし、貯蔵性 |
| [担当] |
愛知農総試・園芸研究所・果樹研究室 |
| [連絡先] |
0561-62-0085 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・果樹 |
| [分類] |
技術・参考 |
[背景・ねらい]
愛知県の日本なし栽培面積の約75%は「幸水」、「豊水」で、特定の品種に偏っている。そのため、産地では晩生品種を取り入れて労力分散を図っているが、品質の良い晩生品種が少ない。そこで、「新高」以降に収穫できる品質が良い晩生品種の育成を行った。
[成果の内容・特徴]
- 平成2年4月に愛知県農業総合試験場において、「新高」に「新星」を交雑して得られた実生から選抜育成した。平成13年6月に「歓月」として出願公表された。
- 樹勢は中程度で、枝の発生は多く、花芽の着生は多い。開花期は「新高」とほぼ同じ時期である。愛知県における収穫期は「新高」の終期頃から「愛宕」より10日程度早い10月中旬~11月上旬である(表1)。花粉を有しており、「幸水」、「豊水」、「陽水」と交雑和合性があり、自家結実性は無い(表2)。
- 果皮色は黄褐色、果形は円形で、果重は約700gと大きい。糖度は13~14度で酸味は少なく、果肉は軟らかくて密である(表3)。食味は「新高」、「愛宕」より良好である。有てい果の発生は多い。みつ症、心腐れや「新高」で発生するていあ部の裂果はみられない。
- 温度0~1度の氷蔵庫内で5か月間程度の貯蔵性がある(表4)。
- 黒斑病は発生せず、黒星病、輪紋病にも強い。えそ斑点病は発現性である。
[成果の活用面・留意点]
- 開花期が早いので、受粉樹は開花の早い品種を選ぶか、貯蔵花粉の利用が必要である。
- 着花量が多く、着果過多になりやすいので、適正着果に努めることが必要である。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:落葉果樹の品種、優良種苗育成と選定 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:1986~2008年度 |
| 研究担当者 |
:上林義幸、岡田詔男、高瀬輔久 |
| 発表論文等 |
:平成13年6月品種登録出願・公表 |
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