「刀根早生」より早く収穫できる、かき新品種「朱鷺乙女」


[要約]

「刀根早生」と「西村早生」を交雑し、胚培養を用いてかき新品種「朱鷺乙女」を育成した。収穫時期は9月下旬から10月中旬で「刀根早生」より3~4日早い。糖度が高く、食味は良好である。果皮色は鮮やかな橙朱色で、外観が優れる。

[キーワード] かき、新品種、朱鷺乙女、刀根早生、胚培養
[担当] 新潟農総研・園芸研究センター・育種科
[連絡先] 0254-27-5555
[区分] 関東東海北陸農業・果樹
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

新潟県におけるかき栽培は品種構成が「平核無」に偏重していたため、「刀根早生」等早生品種の導入が進められてきた。さらに収穫期が早く、品質の優れたオリジナル早生品種の育成に取り組んだ。

[成果の内容・特徴]

  1. 育成経過:昭和62年、「刀根早生」(子房親)×「西村早生」(花粉親)の交雑で得られた果実の幼胚を胚培養により養成した。初結実は平成3年で、平成8年までの系統特性検定により、「TN62-7」として選抜し、平成13年1月に品種登録出願し、平成13年10月に出願公表された。
  2. 栽培特性:樹勢はやや強く、樹姿は開、枝の発生密度はやや密である。開花期は「刀根早生」に比べてやや遅い。着らい数は、「刀根早生」より少ないが生理落果の発生も少ないので収量性には問題はない。着色始日は「刀根早生」とほぼ同時期であるが、着色進展が早く収穫始めも「刀根早生」より早い(表1図1)。
  3. 果実品質:種なしの渋ガキである。果形は縦断が扁円、横断が円となり「刀根早生」より扁平な形となる。収穫時の果実重は「刀根早生」と同程度かやや大きく、脱渋後の平均糖度は14.5%で「刀根早生」に比べてやや高い。肉質は「刀根早生」よりややち密さに欠けるが、多汁で食味良好である。果皮色は橙朱色で果肉色も濃い。脱渋性は容易で脱渋日数は「刀根早生」より短く、日持ち性は「刀根早生」よりやや劣る(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 奇形花らいが発生しやすいため、摘らい摘果に留意する。
  2. その他の一般栽培管理は、当面「刀根早生」に準ずる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :胚培養によるカキ新品種育成、果樹の新品種育成
予算区分 :県単バイテク特研、県単経常 
研究期間 :1986~2000年度
研究担当者 :松本辰也、本永尚彦、根津潔、大竹智、金子英雄
発表論文等 :品種登録出願、第13168号、2001年1月11日

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