日本なし「愛甘水」の低糖度果実の発生防止法


[要約]

日本なし「愛甘水」の低糖度果実を防止するには、本摘果時(満開40日後)に長果枝で新梢が発生している果台において、比較的小さい幼果を摘果する。また、着果量が十分に確保できない場合は、発生した新梢を摘心する。

[キーワード] 日本なし、愛甘水、低糖度果実、摘果、摘心
[担当] 石川農研・育種栽培部・果樹科
[連絡先] 076-257-6911
[区分] 関東東海北陸農業・果樹
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

日本なし「愛甘水」は、石川県の基幹品種である「幸水」より早く収穫できる極早生品種で、黒斑病抵抗性もあり栽培面積が増えている有望品種である。しかし、本品種は表面色が進んだ成熟果実を収穫しているにもかかわらず、糖度が12%未満の低糖度果実が混入することがあり、販売上の問題となっている。低糖度果実の除去は、選果時に糖度センサーを用いることで可能だが、低糖度果実は規格外となって生産者の減収は大きなものがある。そこで、発生実態を調査し、生育の初期段階で低糖度果実を識別し、収穫時の混入を未然に防止する方法について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 低糖度果実(糖度12%未満)は長果枝で発生するが、短果枝では発生しない(表1)。また、長果枝の中でも、収穫時の果実重が250g程度以下の比較的小さい果実で発生が多い(図1)。
  2. 長果枝の果実において、本摘果時(満開40日後)の果実横径が28mm未満のものは、収穫時の糖度のばらつきが大きい。特に、果台から新梢の発生がある場合は糖度が低く、糖度平均値の信頼区間の下限が12%を下回ることがあり、低糖度果実の発生率が高い(表2)。
  3. 本摘果時(満開40日後)に長果枝で、果台から発生している新梢を摘心することで、果実重がやや小さくなる傾向があるものの、低糖度果実の発生を防止できる(表3)。
  4. 以上より、低糖度果実を未然に防止するには、着果数を最終決定する満開40日後の本摘果時に、長果枝で新梢が発生している果台に着生している比較的小さな幼果を摘果する。また、着果量が十分に確保できない状況では、果台から発生した新梢を摘心することで、低糖度果実の発生を防止できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 新梢の摘心は葉数をできるだけ確保するよう基部から4cm程度を目安に実施する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :「愛甘水」の低糖度果実発生防止法
予算区分 :県単
研究期間 :1999~2001年度
研究担当者 :松田賢一、津川久孝、中野眞一
発表論文等 :園芸学会北陸支部平成12年度研究発表要旨:40

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