メッシュ気象データを用いたニカメイガ発生時期予測システム


[要約]

水稲の主要害虫ニカメイガを対象にメッシュ気象データを利用した発生時期予測システムを開発した。任意の日付の発育段階と、特定の発育段階への到達日を1kmメッシュ毎に値に応じて色分けして表示することができる。

[キーワード] ニカメイガ、発生時期予測システム、1kmメッシュ
[担当] 愛知農総試・企画情報部・情報処理研究室
[連絡先] 0561-62-0085
[区分] 関東東海北陸農業・農業情報研究
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

 害虫防除において、発生時期の予測は防除適期の指標として重要であり、有効積算温度による発育モデルがいくつか作成されている。害虫の発生をシミュレーションで予測する場合、予測地点毎に気象データが必要なことや、データ処理が複雑になる等、多数の地点の予測計算を行うことは容易でなかった。しかし、ここ数年の情報処理技術の進歩は著しく、データ処理の速度が飛躍的に向上し、多数の地点を同時に予測計算できる環境が整ってきた。そこで、水稲の主要害虫であるニカメイガを対象として、1kmメッシュ毎に予測可能な発生時期予測システムを構築する。

[成果の内容・特徴]

  1. 水稲の主要害虫であるニカメイガを対象に1kmメッシュ気象データを利用した発生時期予測システムを構築した。
  2. ある発育段階から次の段階へ移行する条件として、有効積算温度、日長、現在の段階に移ってからの日数を用いて予測計算を行っている(図1図2)。
  3. この予測システムでは、発育段階(当年、平年)、その発育段階に入ってからの有効積算温度、任意の発育段階への到達日(当年、平年)及び到達日の比較年(平年、2000年以降の任意年)との日数差を1kmメッシュ毎に値に応じて色分けして表示される(図3)。
  4. 複数の条件設定による予測計算や条件設定の変更を簡易に行うことができる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 稲わらの利用形態による越冬条件の違いや地形等の影響で、地域によって越冬個体の発生時期や個体の日長反応にズレが生じる。このため、地形と作型を加味して区分した地域毎のパラメータ作成と現地観察データによる検証が必要となる。
  2. 有効積算温度、日長及び発育段階の移行後の日数で発育段階が説明できる、ニカメイガ以外の害虫に対して適用が可能である。
  3. 予測誤差を最小とするため、最新の現地調査データに基づき、初期設定が必要な計算開始日とその時の発育段階について、システム管理者側が随時変更を行うことが可能である。

[具体的データ]

図1 基本アルゴリズム概略

図2 発育段階及び世代の移行

[その他]

研究課題名

気象情報の活用による生育予測システムの開発
作物等の効率的な生育予測診断技術の開発

予算区分

県単

研究期間

2001~2003年度

研究担当者

伊藤幸司、古井正司


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