てん茶栽培の窒素施肥量削減に有効な樹冠下点滴施肥技術


[要約]

てん茶園に自動点滴施肥装置を設置し、樹冠下に尿素を主体とした複合液肥を毎日施用することにより、施肥窒素量25kg/10aでも慣行(施肥窒素量69kg/10a)を上回る生育・収量が得られ、また製茶品質も向上する。

[キーワード]

てん茶、点滴施肥、樹冠下、尿素、毎日施用

[担当]

愛知農総試・豊橋農業技術センタ-・茶業研究室

[連絡先]

0532-61-6235

[区分]

関東東海北陸農業・茶業、関東東海北陸農業・関東東海・総合研究

[分類]

技術・参考


[背景・ねらい]

茶園ではうね間のみに集中して施肥が行われるのが一般的であるが、施肥効率が低い。環境への負荷を低減するためには、施肥窒素量を削減していくことが重要である。そこで、てん茶園に自動の点滴施肥装置(図1)を設置し、肥料成分の流亡が少ない樹冠下に液肥を施用して減肥を図ると同時に、収量・品質を確保する施肥管理法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 自然仕立て園の点滴施肥は、茶樹枝条及び一番茶新芽の生育が慣行に比べ明らかに優れる(写真)。
  2. 自然仕立て園の生葉収量は窒素25kg/10aで慣行(施肥窒素量69kg/10a)の42%増、窒素50kg/10aで60%増となる。また、弧状仕立て園の生葉収量は慣行の約15%増となるが、施肥量を増やしても変わらない(図2)。
  3. 官能審査による製茶品質は、自然仕立て、弧状仕立てとも点滴施肥の方が慣行より優れる(図3)。
  4. 以上の結果、樹冠下へ毎日点滴施肥を行うことで、施肥窒素量25kg/10aでも慣行を上回る生育・収量が得られ、また製茶品質も向上する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 自然仕立ての方が弧状仕立てより、収量・品質両面で効果が顕著である。
  2. 点滴施肥は1日1回、2月中旬から11月中旬まで行い、冬期も水のみかん水する。液肥の窒素濃度は3月中旬から5月中旬まで94.7mg/Lとし、その他の時期は31.6mg/Lとする。かん水量は窒素25kg/10aで2000L/10a、50kg/10aで4000L/10aとする。
  3. 茶樹にはアンモニア態窒素の供給が有効であることを配慮し、尿素を主体とした複合液肥(窒素:12%、りん酸:5%、カリ:7%)を用いる。
  4. 本試験は2000年6月から処理を開始した。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :硝酸態窒素の環境基準化に即した茶生産システム
予算区分 :国補(地域基幹)
研究期間 :1999~2003年度
研究担当者 :辻 正樹、木下忠孝、辻 浩孝
発表論文等 :1)Tsuji and Kinoshita (2001) Proc. 2001 Int. Conf. O-CHA(Tea) Culture Sci. II:198-201.
  2)辻・木下 (2001) 茶研報 92(別):142-143.

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