良食味青果用サツマイモ新品種候補系統「関東116号」


[要約]

サツマイモ「関東116号」はいもの外観が優れ、良食味の系統である。糊化温度が50℃程度である低温糊化性澱粉を含むため、迅速調理が可能で、利便性を有する青果用としての利用等が期待される。

[キーワード] 良食味、低温糊化、迅速調理、利便性、青果用
[担当] 作物研究所・畑作物研究部・甘しょ育種研究室
[連絡先] 0298-38-8500
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物、関東東海北陸農業・関東東海・流通加工
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

サツマイモの需要拡大のためには、焼き芋調理に1時間もかかるような調理特性を改善することも必要と思われる。サツマイモ「関東116号」は、外観品質、食味に優れた青果用サツマイモ品種として育成してきたものである。本系統は、従来にない糊化温度の低い澱粉を含む(平成12年度総合農業研究成果情報)ため、加熱調理が迅速な利便性も期待できる。

[成果の内容・特徴]

  1. 「関東116号」は、外観品質や食味、病害虫抵抗性に優れた青果用かんしょ品種の育成を目的に、「ベニアズマ」を母本、「九州30号」を父本とする交配組合わせから選抜した系統である。
  2. いもの形状は紡錘形、皮色が赤紫色で外観が優れる。
  3. いもに含まれるデンプンの糊化温度は通常のサツマイモデンプンのそれより約20℃低い50℃内外であり、加熱調理は迅速である。
  4. 蒸しいもの肉色は淡黄色で、食味は「ベニアズマ」とほぼ同程度で良好である。また、通常食味の劣る電子レンジ調理においても良好な食味を示す。
  5. 上いも収量は「ベニアズマ」並である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 迅速調理性という新しい特性を持った青果用品種として期待される。
  2. デンプンの低温糊化特性は、全く新規の特性であるため、加工用途については今後の検討を要する。
  3. 環境条件によって裂開が発生することがあるため、植付時期の分散等のリスク分散が必要である。
  4. 立枯病、黒斑病に対する抵抗性が「中」であるので、発生地域では防除対策が必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名     温暖地向け青果用優良甘しょ品種の育成(平成3~12年)
予算区分 交付金
研究期間 2001年度(1994~2001年)
研究担当者 片山健二、田宮誠司、蔵之内利和、小巻克巳、中谷誠
発表論文等 サツマイモおよび近縁野生種におけるデンプン組成変異体の探索と特性解明
農研センター研報33:11-71.

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