良食味で多収な青果用紫サツマイモ新品種候補系統「関東117号」


[要約]

サツマイモ「関東117号」はいもにアントシアニン色素を含有する紫サツマイモの系統で、外観が優れ、いも揃いも良く、多収である。また、紫サツマイモとしては良食味の系統で、青果用としての利用が期待される。

[キーワード] 良食味、アントシアニン、紫サツマイモ、機能性、多収、青果用
[担当] 作物研究所・畑作物研究部・甘しょ育種研究室
[連絡先] 0298-38-8500
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・水田畑作物、関東東海北陸農業・関東東海・流通加工
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

紫サツマイモに含まれるアントシアニン色素の各種機能性が明らかにされ、紫サツマイモを原料とした各種加工品が開発・市販されるに伴い、青果用の紫サツマイモを求める需要が発生している。しかし、従来の紫サツマイモ品種は加工目的で開発されたため、蒸しいも等の食味は劣り、青果用に利用できる良食味のものは少なかった。そこで、青果用サツマイモの需要拡大のため、機能性成分であるアントシアニン色素を含み、かつ良食味の系統を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「関東117号」は、各種の機能性に富むアントシアニン色素を含有し、なおかつ外観品質や食味、病害虫抵抗性に優れた青果用かんしょ品種の育成を目的に、アントシアニン色素を含有する「九州119号」を母本とし、「関東85号」、「関東99号」、「関東103号」、「九州105号」、「ベニオトメ」の混合花粉による多父交配から選抜した系統である。
  2. いもの形状は紡錘形、皮色が濃赤紫~赤紫色で外観が優れる。また、形状、大きさの揃いも良く、商品価値の高いサイズのいもの割合が高い。
  3. 上いも収量は「ベニアズマ」に優り多収である。
  4. 蒸しいもの肉色は紫色であるが、「種子島紫」がやや青味を帯びた紫に対し、やや赤味を帯びた紫色を呈す。食味は「高系14号」とほぼ同程度の「中」であり、十分に青果用として利用できる食味である。
  5. いもに含まれるアントシアニン色素の色価は、1内外で、加工用「アヤムラサキ」の数分の1程度の含量である。色素組成は「アヤムラサキ」に近く、同様の機能性が期待出来る。

[成果の活用面・留意点]

  1. 良食味の紫サツマイモ品種として期待される。
  2. 立枯病、黒斑病、ネコブセンチュウに対する抵抗性が「中」で万全ではないため、発生地域では防除対策が必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :温暖地向け有色素甘しょ育種素材の開発(平成11年)、温暖地向け青果用優良甘しょ品種の育成(平成3~12年)
予算区分 :交付金
研究期間 :2001年度(1997~2001年)
研究担当者 :田宮誠司、片山健二、蔵之内利和、小巻克巳、中谷誠
発表論文等 :なし

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