ロングマット水耕苗の植付本数と欠株が収量に及ぼす影響


[要約]

コシヒカリのロングマット水耕苗移植における植付本数は,6~7本/株が多収である。活着後の欠株率と収量の関係は,3%以内が多収となると見られるが10%でも減収率は3.2%にとどまることから,欠株率は10%までは許容範囲にあると考えられる。

[キーワード] 水稲,ロングマット,水耕苗,育苗,移植,植付本数,移植精度
[担当] 茨城県農業総合センター農業研究所 経営技術研究室
[連絡先] 029-239-7210
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・総合研究
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

水稲移植栽培の軽労・省力化を図るためロングマット水耕苗移植栽培技術が開発されたが,慣行の稚苗移植に比べ,播種量を多くしても欠株や移植精度が劣る状況にある。
そのため,育苗時の播種量と移植時の掻取量を調節して,最適な植付本数を把握するとともに移植精度の向上を図る必要がある。

[成果の内容・特徴]

  1. 品種はコシヒカリ,移植機はY式GP6A(ロングマット仕様)を供試した。播種は,5月2日に播種量を育苗箱に換算して160,180,200gの3水準で行った。移植は5月18日に行い掻取設定を横送り20回,縦送を3(少),6(標準),9(多)の3段階で行った。苗は移植前日に巻取った。
  2. 植付本数は,縦送りの掻取量を多くするほど増加する(表1)。
  3. 活着時(移植後19日)の欠株率は,図1に示すとおり播種量は少ないほど多くなる傾向がある。掻取量では,掻取設定多(9)では,土付苗よりわずかに多い程度であるが,設定少(3)ではかなり高くなる。
  4. 植付本数と収量の関係は,6~7本/株が最も多収となり,それ以上では低下する(図3)。
  5. 活着後の欠株率と収量の関係は,欠株率3%付近が収量のピークと見られるが,10%でも減収率は3.2%にとどまり,土付苗より多収であることから,欠株率10%までは,許容範囲と考えられる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 代かきは,均平に留意する。
  2. 上記の植付本数を目標に掻取量調整して,移植作業を行うことで安定多収が得られるが,連続欠株出ないように留意する必要がある。
  3. 移植後の入水は,深水にすると浮き苗が発生するため,走水程度にして,活着後に通常の入水を行う。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:温暖地大規模経営に適応したロングマット水耕苗育苗・移植技術の開発と直播を導入した水田営農体系の確立

予算区分

:国補(地域基幹)

研究期間

:1998~2002年度

研究担当者

:小貫和裕,飯島智浩,折本美緒,加藤俊一,茅根敦夫

発表論文等

:なし


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