トマトの養液土耕栽培における葉柄汁液中硝酸イオン濃度の診断指標


[要約]

半促成及び促成トマトの養液土耕栽培において、果房直下葉の葉柄汁液中硝酸イオン濃度を用い、生育ステージ別の栄養診断指標を作成した。

[キーワード] 養液土耕、果房直下葉、栄養診断指標、硝酸イオン濃度、生育ステージ
[担当] 愛知農総試・園芸研究所・環境研究室
[連絡先] 0561-62-0085
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・総合研究
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

養液土耕栽培は、1日に与える窒素量が少なく、土壌中硝酸イオン濃度が低く推移するため、土壌溶液や生土容積抽出法による土壌診断では、窒素日施用量を決めることは難しい。そこで反射式光度計を用いた葉柄汁液による栄養診断手法の確立ならびに診断指標の策定を行う。

[成果の内容・特徴]

  1. 養液土耕栽培における半促成及び促成トマトの葉柄汁液中硝酸イオン濃度(以下硝酸イオン濃度とする)の診断指標は表1のとおりである。
  2. 硝酸イオン濃度は、採取葉位による変動が大きい。特に、果実肥大期の果房直下葉では硝酸イオン濃度が果房下2、3葉に比べて著しく低下する。このため、栄養診断には果実がピンポン玉大(直径2~4cm)の直下葉を用いる(図1)。
  3. 第3果房開花期直前から着果負担がかかるため、硝酸イオン濃度は急激に低下しやすい。このステージの硝酸イオン濃度が低下すると、その後の開花結実が不良となるため、液肥濃度は、あらかじめ高めに管理する(図2)。
  4. 診断指標は完熟系「ハウス桃太郎」で作成したが、ファースト系にも準用できる(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 葉柄汁液による栄養診断により、診断指標にある硝酸イオン濃度となるように液肥濃度を管理する。
  2. 採取部位、時刻、天候により硝酸イオン濃度は変動するため、診断指標の採取法を遵守する。
  3. ほ場により肥料の残存量及び土壌窒素発現量が異なるため、液肥濃度はこれらを考慮し、調整する必要がある。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :トマト・メロン主体生産体系における高生産・環境保全型養液土耕栽培システムの確立
予算区分 :国補(地域基幹)
研究期間 :1999~2003年度
研究担当者 :田中哲司、川嶋和子、山田良三、深谷雅博

(別紙2)


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