打込式代かき同時播種機による苗立安定化を図るためのカルパーはく離程度
[要約]
打込式代かき同時播種機による播種作業は、カルパーはく離から見ると、カルパー種子水分減少割合95以上、打込回転速度1,030rpm以下で播種する。一時貯蔵する場合は冷蔵密封保存が適し、苗立向上を目的にカルパー種子を加温する場合は1日間が適する。
| [キーワード] |
カルパーコーティングはく離、カルパー種子水分減少割合、密封冷蔵貯蔵 |
| [担当] |
茨城農総セ農研・経営技術研究室 |
| [連絡先] |
029-239-7210 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・関東東海・総合研究 |
| [分類] |
技術・参考 |
[背景・ねらい]
水稲の湛水直播では広く種子へのカルパーコーティングが行われており、苗立ちの安定に寄与しているが、湛水直播の中でも代かき同時打込点播栽培は打込ディスクでカルパーコーティング種子を播種するためカルパーのはく離が問題とされている。そこで、カルパーはく離の軽減を図るため、カルパーコーティング種子水分減少割合及び打込回転数とはく離程度の関係について明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- (カルパーはく離程度の指標は無:無はく離、小:一部分がはく離、中:一部分から半分未満がはく離、大:半分以上から完全はく離と4分類した。)苗立率は、播種深度5mmでは、はく離が中程度であれば目標とする70%が得られ、播種深度10mmでは、小程度であれば目標に近い苗立率が得られる(表1)。
- カルパーはく離はコーティング種子の水分減少割合が低下すると中程度以上のはく離が多くなる傾向が見られ、苗立(出芽)の安定からみた場合の水分減少割合は95以上と推定される(表2)。水分減少割合は、コーティング後屋外へ放置すると3時間程度で95以下になり、屋内管理では6~12時間程度で95になる(図1)。
- 播種機打込回転速度1,030rpm以下で無はく離程度の割合が高まる(表3)。
- カルパーはく離からみると、冷蔵密封貯蔵はコーティング後70時間経過してもはく離程度は少なく保てるので適している(表4)。
- 苗立向上を目的とした育苗器加温(温度30℃、湿度100%)では、24時間以内ならばはく離は少ないが、48時間では幼芽伸長が進みはく離を助長する(表4)。
[成果の活用面・留意点]
- 市販のコーティングマシンを用いて乾籾の2倍重被覆した種子の結果である。
- 供試カルパーコーティング種子は、コーティング終了後、筵に拡げ、2時間陰干し風乾したものをそれぞれ使用している。
[具体的データ]





図1 コーティング経過時間と水分減少割合の推移(2001年度)
[その他]
| 研究課題名 |
:代かき同時打込播種機の作業性能調査 |
| 予算区分 |
:国補 |
| 研究期間 |
:1998~2002年度 |
| 研究担当者 |
:飯島智浩、小貫和裕、狩野幹夫、茅根敦夫、折本美緒 |
| 発表論文等 |
:なし |
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