イチゴの底面給水による雨よけ高設ベンチ育苗
[要約]
イチゴの底面給水による雨よけ高設ベンチ育苗は、育苗中に頭上からの灌水が一切不要であるため、炭そ病等の発生を抑制でき、頭上灌水と同等の苗の生育、花芽分化、収量が得られる。
| [キーワード] |
イチゴ、雨よけ高設ベンチ育苗、底面給水、炭そ病 |
| [担当] |
岐阜農技研・栽培部、環境部 |
| [連絡先] |
058-239-3131 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・関東東海・野菜 |
| [分類] |
技術・普及 |
[背景・ねらい]
現在のイチゴの雨よけ高設ベンチ育苗では、灌水が頭上から行われるため炭そ病等の難防除病害の発生が問題である。そこで、親株養成、採苗、子苗育成の全育苗過程から頭上灌水を廃除した底面吸水による育苗システムを開発する。
[成果の内容・特徴]
- 本システムはベンチ上に下からビニールシート、底面吸水シート、有孔マルチフィルム、防根透水シートの順に重ね合わせ、この上に7.5cmポリポットを並べてランナーを受ける方式である(図1)。
- シートへの水の供給はベンチ上に敷設した2本の点滴灌水チューブによって行う(図1)。灌水回数は培地の種類、時期で異なるが、盛夏期にはおよそ3時間間隔で自動灌水を行う。
- 培地は吸水性が高く、窒素中断が可能な資材を使用する。
- 子苗育成肥料は置肥とし、7月10日前後のランナー切り離し直後にロングトータル70日タイプ1g(N成分140mg)/鉢を培地上に置く。
- 苗の生育、花芽分化、収量は、頭上灌水と同等である(表1)。
- 炭そ病の発生を抑えることができる(図2)。疫病についても伝搬するが、頭上灌水に比べて発病度を低く抑えることができる(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 灌水後に長時間水が溜まるところは、過湿によって根腐れが発生するので、花き等で使用している底面給水ポット用ヒモで排水する。
- イネの育苗等で使用されている目の細かい防根シートは、薬剤散布によって目詰まりが生じ、給水できなくなるので使用しない。
- 本システムの資材費は3,410円/mで、本圃10a当たり70万円程度が必要である。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:イチゴの工場的生産システムの開発に関する研究
環境に優しいイチゴの養液栽培技術の確立 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:1997~2003年度 |
| 研究担当者 |
:越川兼行、天野昭子、長谷部健一、安田雅晴、下畑次夫、後藤光憲 |
| 発表論文等 |
:1)越川兼行(1999) 平成10年度研究成果情報(関東東海農業):530-531.
2)越川兼行ら(2000) 園学雑 69(別1):474. |
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