マット化可能植物


[要約]

強度があり、流通・施工に耐えるマット植物の条件として、剥離培地の割合が4%以内、引張強度が15kgf以上、たわみ度が4cm以内のものをマット化可能植物と位置づけ、20種24品種を選定した。

[キーワード] マット植物、植物検索、品種選定、緑化植物、早期緑化
[担当] 千葉農総研・生産技術部・花き緑化研究室
[連絡先] 043-291-9988
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・花き
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

マット植物とは、「根域を薄層化し、マット状にした緑化植物」と定義づけられる。早期緑化、雑草抑制、エロージョン防止等の効果があり、法面、屋上、家庭等での利用が期待できる。そこで、マット化可能な植物を検索し、マット植物生産に向く植物を選定する。

[成果の内容・特徴]

  1. 表1に示したとおり、20種24品種をマット化可能植物として選定した。
  2. イワダレソウ等の草本類は、繁殖後2~4カ月でマット化する。
  3. ミヤマハイビャクシン‘ナナ’等の木本類は、セル成型苗を定植してもマット化まで7、8カ月以上必要である。
  4. 繁殖の容易な草本類や一部の木本類は、マット育成トレイ直挿しが可能である。
  5. セル成型トレイにより繁殖した苗を植え付けマット化すると、欠株の割合が低く活着や生育が良好である。
  6. 実生繁殖は播種作業が簡単なため、労力の省力化が可能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. マット植物育成方法として、繁殖が容易な草本類はマット育成トレイに直挿し或いは実生可能であるが、木本類はセル成型トレイによる育苗を組み合わせる方が効率的である。
  2. マット育成トレイに直挿しする場合、欠株が生じることがあるため、補植用株の準備が不可欠である。
  3. 実生する場合、得られた種子によって発芽率や稔性に差があるため、播種量の把握が困難である。
  4. セル成型トレイによる育苗は、施設の有効利用が期待できる。
  5. 選定されたマット植物は、軽量化が求められる屋上緑化、雑草及びエロージョン抑制効果が期待できる法面緑化、短期間に完成した緑化が求められるイベント等の利用、パズル的に組み合わせて使うガーデニング等の利用が考えられる。
  6. 法面緑化やガーデニングの場合、設置場所を軽く中耕し、マット植物を張り付ける。張り付け直後は充分灌水し、その後は1週間以上降雨が無い場合のみ灌水を行う。植物によって若干異なるが、張り付け時期は3月中旬前後と梅雨期が適している。
  7. 出荷から流通・施工を通してマット状態を維持するため、剥離培地割合が4%以下、引張強度が15kgf以上、たわみ度が4cm以下のものを選定する。

[具体的データ]

*Pfiはフィツェリアナビャクシンの略、繁殖方法のセルはセル成型トレイ育苗を示す。
剥離培地割合はマット植物を1mの高さから3回水平に落下させ、総重量に対する剥離した培地の割合、引張強度はマットを左右に引き分け、切断される点の最大荷重、たわみ度はマット中心線を支点とし、水平線から下垂した長さとした。

[その他]

研究課題名 :早期緑化のためのマット植物の効率的生産技術の開発
予算区分 :国補(新技術)
研究期間 :1999~2002年度
研究担当者 :柴田忠裕
発表論文等 :柴田忠裕(2001)日本緑化工学会誌第27巻第2号:393-398

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