バラ養液栽培における多孔質セラミックス培地の利用
[要約]
多孔質セラミックス培地は気相率が高く、理化学性の経年変化も極めて少ない。バラの養液栽培に用いる場合、栽培床の底部に約2cmの湛液層を設け、培地量を1株当たり0.9lとすることで根群が良く発達し、切り花の収量、品質が向上する。
| [キーワード] |
多孔質セラミックス、バラ、養液栽培、湛水層 |
| [担当] |
愛知農総試・弥富農業技術センター・栽培研究室 |
| [連絡先] |
0567-65-4311 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・関東東海・花き |
| [分類] |
技術・普及 |
[背景・ねらい]
バラの養液栽培に用いられるロックウールは、耐用年数が3~5年と短く、使用後の廃棄にも問題がある。そこで、鋳造行程で排出される廃鋳物砂を原料として製造された多孔質セラミックスのロックウール代替性を明らかにし、養液栽培バラの生産安定に資する。
[成果の内容・特徴]
- 多孔質セラミックスは廃鋳物砂を造粒し、800℃以上の高温で焼成したもので、比重0.7~0.8、粒径0.5~1.5mmの灰黒色の物体で、ロックウールに比べて気相率が高く、塩基置換容量もやや高い。pHは6.5と弱酸性を示す。これら理化学性の使用に伴う変化は極めて少ない(図1、表1)。
- 多孔質セラミックス培地は、ロックウールと比較して、切り花収量は差がなく、80cm以上の切り花割合では優る(表2)。
- バラの根は、ロックウールでは培地の底部に長く伸び且つ部分的に褐変しているのに対し、多孔質セラミックスでは、株下にボール状の根群を形成し(写真1)、褐変も少ない。
- 株の生産力即ち乾物生産量は培地量が一定レベル以下になると低下する。そのため、深さ9cm、幅21cmのベンチに株間12cm、条間15cmで植え付けると1株当たり0.9lの培地を必要とする(表2)。
- 栽培床の底部に約2cmの湛液層を設けても、生育への悪影響はみられず、これにより排液量を慣行の半量程度に減らすことができる(データ略)。
[成果の活用面・留意点]
- 養液栽培試験は、品種ローテローゼ、アーチング仕立て、タイマー制御による点滴、かけ流し(排液率30%)方式で行った。
- 本資材の価格は48円/lである。裁植密度を8000株/10a、培地量を0.9l/株とすると34.6万円/10aで、ロックウールの27.5万円に比べやや割高である。しかし、耐用年数が長いと思われるので、コスト的には同等もしくはやや割安となることが期待できる。
- 定植直後は苗が倒れやすく活着も遅いため、やや深植にすると同時に給液頻度を高める。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:バラ養液栽培における高品質多収生産技術の開発 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:1999~2001 |
| 研究担当者 |
:米倉 悟、近藤満治、二村幹雄、酒井広蔵、吉見仁志(アイシン高丘株式会社) |
| 研究論文等 |
:二村・吉見(1999)愛知研報31:185-192 |
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