対抗植物(ギニアグラス)を導入した輪作体系によるネコブセンチュウ被害回避技術
[要約]
秋冬ニンジン-春ダイコンの作付け体系の中で、ギニアグラス、秋冬ホウレンソウを導入した輪作体系を組むことで、秋冬ニンジンのサツマイモネコブセンチュウ被害を土壌くん蒸剤を使用した場合とほぼ同等に回避できる。
| [キーワード] |
サツマイモネコブセンチュウ、ギニアグラス、輪作体系 |
| [担当] |
埼玉県農総研・園芸支所・露地野菜担当 |
| [連絡先] |
049-285-2206 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・関東東海・病害虫、関東東海北陸農業・関東東海・総合研究 |
| [分類] |
技術・普及 |
[背景・ねらい]
都市化の進展が著しい野菜産地では、土壌線虫防除のためのくん蒸剤の使用が困難な状況にある。また、環境保全に対する意識の高まりなどから、くん蒸剤に代わる防除技術の開発が急務となっている。そこで、土壌線虫の被害回避が可能な対抗植物を導入した新しい省農薬型の輪作体系を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 対抗植物のギニアグラスを栽培することにより、サツマイモネコブセンチュウ(以下「線虫」とする)密度は低減する。秋冬ホウレンソウ、秋冬ニンジン、春ダイコンでは栽培前後で線虫密度に極端な増減はみられない(表1、図1)。
- ギニアグラスを導入した新輪作体系は、後作のダイコンの岐根割合及びニンジンの線虫被害が少ない(表2)。
- ギニアグラス後作のダイコン、ニンジンは生育が良好で、慣行・D-D消毒区と同程度またはそれ以上の可販収量が得られる(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果は、表層腐植質黒ボク土、サツマイモネコブセンチュウ初期密度4~21頭/土 20gのほ場条件下で得られたものである。
- ギニアグラスはネコブセンチュウ密度を抑制するだけでなく、雑草抑制や土壌改良効果が期待でき、後作のホウレンソウ、ニンジンの生育促進に対しても効果的である。
- ギニアグラスすき込み直後は、土壌中の有機物の増加により害虫の発生が多くなることも懸念されるため、十分に腐熟させた上で後作の作付けを行う。
- ギニアグラスは発芽時の環境条件(特に土壌水分)により出芽が左右されやすく、初期生育を確保するためには適度な土壌水分下で播種する。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:有機質資材投入等による持続的安定生産技術 |
| 予算区分 |
:国補(地域基幹) |
| 研究期間 |
:1997~2001年度 |
| 研究担当者 |
:上田智子、岩崎泰史、杉山正幸、岡安 正、高橋兼一 |
| 発表論文等 |
:なし |
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