シリカゲルの水稲育苗培土処理によるニカメイガとイネミズゾウムシ被害軽減効果


[要約]

シリカゲル(二酸化ケイ素ゲル)を水稲の育苗培土に混用することで、ニカメイガ第1世代幼虫、並びにイネミズゾウムシによる被害抑制が可能である。苗の二酸化ケイ素含有量の増加が、両害虫の抑制に寄与する。

[キーワード] イネ、ニカメイガ、イネミズゾウムシ、ケイ酸、シリカゲル、育苗、防除
[担当] 埼玉県農林総合研究センター・生産環境担当
[連絡先] 048-521-5041
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・病害虫、関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

近年、シリカゲル(二酸化ケイ素ゲル)を水稲の育苗箱に施用する技術が開発され、ケイ酸質肥料として発売が開始されている。可溶性ケイ酸が多いためイネに吸収されやすく、良好な苗の育成に寄与する。ケイ酸資材は害虫の発生を抑制することが知られている(馬場:1944など)ことから、シリカゲルの育苗箱施用によるニカメイガとイネミズゾウムシの防除効果を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. シリカゲル混用の培土で育てた苗を移植することで、ニカメイガ第1世代幼虫による被害抑制が可能である(図1)。
  2. 同様にイネミズゾウムシ越冬成虫による初期の食害を抑制し(図2)、当年世代の発生時期の遅延に有効である(図3)。
  3. シリカゲル処理量は、育苗箱(30×60cm)当たり250g以上で有効である。
  4. 移植時のイネの二酸化ケイ素含有量は、箱当たり250g以上のシリカゲル処理で約3倍であり処理量の多いほど増加、窒素含有量は減少する(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 下層に層状施用、あるいは土壌混和施用のいずれかを行う。覆土としてシリカゲルを使用するとイネへの吸収が少ない。
  2. シリカゲルを多量施用しても生育障害は起こらない。1箱あたり250g程度の施用で有効であったが、250g以下での有効性は未解明である。
  3. ニカメイガ第2世代幼虫への防除効果は確認されていない。
  4. シリカゲルの資材費は10aあたり約2,000円である。

[具体的データ] 

[その他]

研究課題名 :総合的作物生産技術(ICP)の構築研究
予算区分 :県単
研究機関 :2000~2001年度
研究担当者 :江村薫、相崎万裕美、矢ケ崎健治、加藤徹
発表論文等 :江村ら(2002)第46回 日本応用動物昆虫学会大会・発表予定 

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