イチジク果口のテープ貼付によるアザミウマ類の防除


[要約]

イチジクの果実果口が開く前に、不織布サージカルテープを果口に貼付すると、果実内へのアザミウマ類の侵入による被害を効果的に防止できる。

[キーワード] イチジク、アザミウマ類、侵入防止、不織布サージカルテープ
[担当] 愛知県農業総合試験場・園芸研究所・環境研究室
[連絡先] 0561-62-0085
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・病害虫
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

イチジクの果実は着果後約15~20日で果実の果口が開き始め、その後2~3週間開いた状態が続く。この果口が開く時期(果実横径約2.5~3.0cm)にアザミウマ類が侵入し、果実内部を加害する。被害は、アザミウマ類の発生ピークと果口の開く時期が重なる1段~6段あたりの果実に多い。アザミウマ類は寄主範囲が広く、多くの雑草に寄生するため、ほ場周辺からの飛び込みが多い。また、有効薬剤が少ないため防除には苦慮している。そこで薬剤以外の防除法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 青色粘着トラップによるアザミウマ類の誘殺数は、6月中~下旬が特に多い(図1)。
  2. Scotchクリアテープ、セキスイセロテープ、ニチバンセロテープの3種類は、収穫時にはがれるためテープを取り除く必要はないが、果実とテープの間に隙間ができやすく侵入防止効果が低い。それに比べ、不織布サージカルテープ(ニチバンホワイトテープ)は収穫時まで付着して、果実とテープの間に隙間もでき難く、侵入防止効果が高い(表1)。
  3. 果口が開く前に果口に不織布サージカルテープを貼付(図2)することにより、アザミウマ類の果実内への侵入が防止でき、被害度を無処理区の1/10に抑えることができる。また、テープ貼付と薬剤散布を組み合わせることによりさらに被害度を下げることができる(表2)。
  4. 果実内へのアザミウマの侵入種は、調査72個体のうち、ヒラズハナアザミウマが67個体で最も多く、次いでハナアザミウマの5個体であった。

[成果の活用面・留意点]

  1. 不織布サージカルテープは果口が開く前に、隙間ができないように丁寧に貼付する。
  2. テープ貼付部分は色付きが悪くなるので、収穫10~20日前に取り除く必要がある。
  3. テープ貼付作業は1時間当たり約 300果実の処理が可能であり、1~6段までの果実 への貼付及び取り除き作業は10a当たり約67時間を要する。
  4. 不織布サージカルテープの価格は1巻(25mm×9m) 450円で、1~6段までの果実 へ貼付した場合のテープ費用は10a当たり約12000円である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :野菜・果樹病害虫の発生生態と防除 
予算区分 :県単
研究期間 :2000~2002年度
研究担当者 :市川耕治、長縄光延(普及指導部)

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