3種の畜ふん資材の窒素肥効率
[要約]
乾燥豚ぷん、オガクズ牛ふん堆肥、発酵鶏ふんの3種の資材について、窒素の肥効率を明らかにした。化学肥料の窒素利用率を100として比べた窒素の肥効率は乾燥豚ぷんが54~70,オガクズ牛ふん堆肥が33~36,発酵鶏ふんが51~67%である。
| [キーワード] |
有機質資材、肥効率、窒素利用率、畜ふん、露地野菜 |
| [担当] |
茨城農総セ・農業研究所・土壌肥料研究室 |
| [連絡先] |
029-239-7211 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料、関東東海北陸農業・関東東海・総合研究 |
| [分類] |
技術・参考 |
[背景・ねらい]
有機質資材の肥効率を把握することは施肥設計をするうえで極めて重要である。生ふんの肥効率は神奈川県が既に明らかにしているが(1977)、堆肥化物等については知見が少なく生ふんの肥効率を堆肥化物に読み替えて代用している。飼養環境、副資材添加内容の変化は肥効率への影響が推定され、環境保全型の有機質資材利用をする場合には肥効率に配慮した適正施用が基本となる。そこで代表的な有機質資材の乾燥豚ぷん、オガクズ牛ふん堆肥、発酵鶏ふんを用い、露地野菜の栽培での窒素肥効率を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 供試作物の窒素施用量(/10a)は、トウモロコシ20kg、ハクサイ25kg及びダイコン20kgで無肥料区以外の窒素施用量は同一である。またトウモロコシ跡に無肥料で二条大麦を栽培し、資材の窒素成分の残効を検討した。作付けは同一ほ場に行った。
- トウモロコシ、ハクサイの収量は有機質資材区で対照の化学肥料区に比べ、65~92%と劣ったが、ダイコンでは概ね対照区以上の収量となった(表1)。
- 窒素吸収量及び窒素利用率は収量とほぼ同様の傾向を示した(表2)。
- 化学肥料の窒素利用率を100として比べた窒素の肥効率は乾燥豚ぷんが54~70,オガクズ牛ふん堆肥が33~36,発酵鶏ふんが51~67%であった。この結果は神奈川県の生ふんの肥効率に比べ、牛ふんはやや高く、豚ぷん及び鶏ふんはやや低かった(表3)。
- 有機質資材と化学肥料を併用した場合、各資材とも窒素吸収量及び窒素利用率は単独施用に比べ高まった(表4)。
- 無肥料栽培による二条大麦N吸収量から、有機物施用の残効をみると、各資材とも対照区に比べ高く、化学肥料と有機質の併施用により、作物に利用されやすい状態であったことが示唆される(表4)。
[成果の活用面・留意点]
- 有機質資材投入する場合の施肥設計で窒素量算定の基礎データとする。
- 火山灰畑土壌に適用する。
- 有機質資材の乾物N%(C/N比)は乾燥豚ぷん3.07~3.27%(10前後)、オガクズ牛ふん堆肥1.54~2.17%(20前後)、 発酵鶏ふん3.01~4.84%(10前後)であった。
- 耕種概要:トウモロコシ;6月初旬播種、8月中旬収穫。二条大麦:11月初旬播種、6月初旬収穫。ハクサイ:9月初旬定植、11月中旬収穫。ダイコン(マルチ栽培):8月下旬播種、11月初旬収穫。
[具体的データ]




[その他]
| 研究課題名 |
:有機質資材投入等による持続的安定生産技術 |
| 予算区分 |
:国補(地域基幹) |
| 研究期間 |
:1997~2001年度 |
| 研究担当者 |
:松本英一、鹿島美咲、折本美緒 |
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