チンゲンサイ種子根の伸長による農家ほ場の土壌微生物特性評価


[要約]

根面細菌をチンゲンサイ種子に接種し、温度28℃、5日間暗所栽培後の主根の長短により、生育促進菌の出現割合が高いほ場と生育阻害菌の出現割合が高いほ場が判別でき、根面細菌による発根促進からみたほ場の土壌微生物特性の評価が可能である。

[キーワード] 根面細菌、チンゲンサイ、生育促進菌、生育阻害菌、土壌微生物特性
[担当] 静岡農試・土壌肥料部
[連絡先] 0538-36-1556
[区分] 関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料、関東東海北陸農業・関東東海・総合研究
[分類] 技術・参考                               

[背景・ねらい]

土壌微生物特性の診断指標として、B/F値やバイオマス測定など、様々な方法が試みられている。ここでは、生育優良・不良ほ場より採取された根面細菌を、チンゲンサイ種子に接種し、発根促進の程度を判別することにより、生育優良ほ場、生育不良ほ場における土壌微生物特性評価を試みる。

[成果の内容・特徴]

  1. 1/10ホーグランド培地にチンゲンサイ種子をは種した後、滅菌水で希釈した根面細菌を接種し、温度28℃、5日間暗所で栽培し主根の長短を測定するという平成12年度成果情報「チンゲンサイ種子を用いた根群形成からみた生育促進細菌の一次選抜方法」の手法で、生育優良・不良ほ場の判別を試みた結果、以下の評価を得た。なお、菌を添加しない、菌無接種区を対照とする。
  2. キク栽培ほ場において、生育優良ほ場では、主根の伸長を促進する根面細菌の出現割合が高く、平均主根長は無接種区より優れる。生育不良ほ場では、主根の伸長を阻害する根面細菌の出現割合が高く、平均主根長は無接種区より劣る(表1)。
  3. チンゲンサイ栽培ほ場において、生育優良ほ場では、主根の伸長を促進する根面細菌も主根の伸長を阻害する根面細菌も出現割合が低く、平均主根長は無接種区よりやや劣る。生育不良ほ場では、主根の伸長を阻害する根面細菌の出現割合が高く、平均主根長は無接種区より劣る(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 種子は、播種前に70%エタノールで2分間、2.5%次亜塩素酸で3分間振とう後、滅菌水で洗浄する。
  2. 菌は、白金耳で一かき程度掻き取り、1mlの滅菌水(菌数約108/ml)で懸濁して接種する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :施設野菜栽培における根圏微生物の活用による環境保全型施肥、土壌病害制御技術 
予算区分  :地域基幹
研究期間  :2001年度(1999~2003年)
研究担当者 :小杉徹、高橋和彦
発表論文等 :2001年度日本土壌肥料学会中部支部講演会にて成果の一部を発表。

背景修正案(地域基幹)

土壌の微生物特性の評価は、菌数、B/F(細菌/糸状菌)値等が提案されてきたが、土壌生産力と必ずしも相関せず、簡便で作物生産性との相関が高い微生物性の評価法の開発が要望されている。

情報名 根面細菌のチンゲンサイ根の伸長・阻害効果による土壌微生物特性の評価


目次へ戻る