「コシヒカリ」の条播直播における倒伏を抑制するための生育指標


[要約]

「コシヒカリ」の条播直播栽培において、倒伏を中程度に抑えて安定した収量、品質を確保するための苗立数別の生育指標を策定した。

[キーワード] コシヒカリ、条播直播、苗立数、倒伏、生育指標
[担当] 新潟農総研・作物研・栽培科(栽培・品質)
[連絡先] 0258-35-0047
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・水田畑作物
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

「コシヒカリ」は直播栽培においても主要な品種であるが、倒伏による収量や品質の低下が問題になっている。このため、比較的倒伏しにくい条播直播において、成熟期の倒伏を中程度に抑える栽培をするための生育指標を、苗立数別の生育特性をもとに定める。

[成果の内容・特徴]

  1. 安定した収量および高品質を確保するためには、苗立数は平方メートル当たり50本を確保する(表1)。そのためには、播種量を10a当たり2.5kg(乾籾換算)程度とし、落水出芽により確実に苗立ちさせる。また、このときの倒伏程度は中程度(3)以下である(図1)。
  2. 苗立数が平方メートル当たり25本以下では2次枝梗籾が増加し、品質の低下や収量の不安定が予想される。
  3. 苗立数が平方メートル当たり100本以上になると、茎数は多く推移し穂数も多くなるが、1穂籾数が減少する。このため平方メートル当たり籾数が減少し、収量が低下するとともに整粒歩合も低下する(図2表1)。また、倒伏は中程度を超えやすい(図1)。苗立数が平方メートル当たり75本程度以下のとき倒伏が中程度に抑えられると推定される(図1)。
  4. 以上のことから苗立数は平方メートル当たり50~75本程度を目標とする。また、「水稲湛水直播栽培の手引き」(新潟県農林水産部、2001年)に則した栽培管理を行った場合の、倒伏が中程度になる苗立数別生育経過をもとに、各生育時期の生育指標および収量構成指標を表2に示した。

[成果の活用面・留意点]

  1. 「水稲湛水直播栽培の手引き」(新潟県農林水産部、2001年)に示された栽培法を基本とする。
  2. この生育指標に比べ、生育が過剰な場合は倒伏のおそれがあるため、出穂期までの間断灌水により土壌を充分に固め、穂肥量は減量する。また、翌年の施肥量も見直す。
  3. 幼穂形成期の生育量が指標を大きく超える過剰生育となり、やむを得ず倒伏軽減剤を使用する場合は、「農作物病害虫雑草防除指針」を参照し適正に使用する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :直播栽培におけるコシヒカリの高品質・安定栽培法の確立
予算区分 :県単特別
研究期間 :1999~2000年度
研究担当者 :佐藤徹、有坂通展、水沢誠一
発表論文等 :1)新潟県農林水産部 (2001) 「水稲湛水直播栽培の手引き」

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