「コシヒカリ」の立毛胴割発生予測法


[要約]

出穂後0~19日の平均気温および出穂後30日~成熟期の全天日射量からコシヒカリの成熟期における立毛胴割米の発生程度を予測できる.

[キーワード] 水稲,コシヒカリ,胴割米,予測,平均気温,全天日射量
[担当] 富山農技セ・農業試験場・機械営農課
[連絡先] 076-429-5280
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・水田畑作物
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

2000年に富山県においては「コシヒカリ」で胴割米の多発により甚大な品質低下を招いた.この主な要因として登熟期間の異常高温や稲体の活力低下などが考えられたが,事前にその発生を予測することは困難であった.そのため,「コシヒカリ」においても胴割米の発生程度を早期に把握し,適期収穫を徹底するための胴割米発生予測法の開発が強く望まれた.
そこで,登熟期間の気象と胴割米発生との関係を明らかにし,これらによる胴割米発生予測手法を開発した.

[成果の内容・特徴]

  1. 登熟前半(出穂後0~19日)の気温あるいは全天日射量,および,登熟後期(出穂後30日~成熟期)の全天日射量は胴割米の発生と相関が高い(図1)
  2. 出穂後0~19日の平均気温および出穂後30日~成熟期の全天日射量により胴割米の発生の危険性を予測できる(図2).
       予測式:y=3.22xt+1.12xr-89.19
       y :成熟期における全胴割率(%)
       xt :出穂後0~19日の平均気温(℃)
       xr :出穂後30日~成熟期の全天日射量(MJ/平米/day)
    登熟前半の平均気温が25℃以下であれば,登熟後期の日射量に関わらず胴割米発生の危険は少ないが,26℃以上の場合,登熟後期の日射量が強くなると胴割米の発生が多くなる.
  3. 未知データによって,このモデルの検証が可能であった(図3).

[成果の活用面・留意点]

  1. 砂壌土地帯における胴割米発生予測による収穫時期の決定に用いる.
  2. 籾黄化率や枝梗の枯れ上りなどによって,成熟期を的確に把握する. 
  3. 胴割米の発生は籾水分の急激な変化や登熟期間中の根の活力などにも左右されるので,登熟後半の降雨や葉色の変化等にも注意すべきである.

[具体的データ]


図1 登熟期間の気象と全胴割率の関係(1988~1998年)
       注)図中の点線は5%水準有意点


図2 予測モデルによるシミュレーション結果
注)予測式には1988~1998年の出穂後0~19日の平均気温および出穂後30日~成熟期の全天日射量を用いた.
  図中の数字は出穂後0~19日の平均気温.


図3 未知データによる胴割米発生予測の検証
注)クロスバリデーションによる未知データをプロットした.
  また,図中の●▲は予測モデルをそれぞれ2000,2001年のデータに当てはめたもの.

[その他]

研究課題名 :優良米生産対策試験
予算区分 :県単
研究期間 :1988~2001年度
研究担当者 :高橋 渉,尾島輝佳,野村幹雄,鍋島 学
発表論文等 :1)高橋ら(2002)北陸作物学会報 37(投稿中).

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