転換畑における大豆品種「あやこがね」の栽培特性
[要約]
大豆品種「あやこがね」は,「エンレイ」より7日前後成熟期が遅く,見かけの品質が優れている点が特徴である。青立ち症状の発生を軽減して安定した収量品質を得るためには,6月上旬播種,15~20本/平米の栽植本数が適している。
| [キーワード] |
大豆,あやこがね,品質,収量,密植栽培 |
| [担当] |
福井農試・作物・経営部・作物研究グループ |
| [連絡先] |
0776-54-5100 |
| [区分] |
関東東海北陸農業・北陸・水田畑作物 |
| [分類] |
技術・普及 |
[背景・ねらい]
大豆品種「エンレイ」は、近年青立ち症状や腐敗粒が多発して収量、品質が不安定である。そこで、新たに導入した奨励品種「あやこがね」の特性を明らかにするとともに、高品質安定栽培法について検討した。
[成果の内容・特徴]
- 「あやこがね」は成熟期が「エンレイ」より7日程度遅く、主茎長が短く草型が良好で、倒伏にも強い品種である(表1)。5月上旬から6月下旬のいずれの播種期でも「エンレイ」や「タチナガハ」より青立ち症状の発生率は低く、やや密植することでさらに発生率を低下させることができる(図1)。
- 「あやこがね」は単位面積当たりの莢数が多く、百粒重は「エンレイ」並で、「エンレイ」と同等以上の収量が得られる。30kg/a以上の単収を得るための播種晩限は6月10日前後である(図2)。
- 子実の見かけの品質は播種時期に関わらず良好で、紫斑粒、しわ粒、腐敗粒、未熟粒などが少なく、完全粒の割合は「エンレイ」を20%前後上回る。したがって、出荷可能な整粒の収量は従来の品種より明らかに高い。これは、「あやこがね」の着莢および子実肥大特性が安定して良好であるためで、成熟期頃の多雨条件でも被害粒の発生率は「エンレイ」より軽微である。また、6月上旬までの播種で見かけ品質が高く維持される(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 県下一円の転換畑に適用できる。
- 地力のない圃場や排水不良な圃場など生育量が小さくなると想定される転換畑では、栽植本数を20本/平米とやや密植にする。
- 播種量は百粒重に応じて換算するが、百粒重30gの場合5~6kg/10aである。
- 最下着莢位置がそれほど高くないので、コンバイン収穫を考慮して培土の高さは初生葉節までとする。
[具体的データ]
表1 あやこがねの生育と収量の比較(1994~2001年)




[その他]
| 研究課題名 |
:大豆奨励品種決定調査 |
| 予算区分 |
:県単 |
| 研究期間 |
:1994~2001年度 |
| 研究担当者 |
:井上健一、山口泰弘 |
| 発表論文等 |
:なし |
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