粘質土壌の「コシヒカリ」湛水散播直播栽培における幼穂形成期の適正生育量


[要約]

粘質土壌地帯における「コシヒカリ」の湛水散播栽培で倒伏を回避し、安定した収量および品質を得る幼穂形成期の適正な生育量は草丈(cm)×茎数(本/平米)×葉色(群落葉色)の値が100,000~120,000の範囲である。 

[キーワード] コシヒカリ、湛水散播直播、適正生育量
[担当] 福井県農業試験場・作物経営部・直播栽培研究グループ
[連絡先] 0776-54-5100
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・水田畑作物
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

福井県では、直播栽培面積が年々増加し、平成13年には470haに達した。しかし、近年の米価低迷によって直播においても単価の高い「コシヒカリ」が全体の60%を占め、現在は条播で対応している。しかし、普及現場からはコスト低減の観点から、ラジコンヘリ等を用いた散播栽培の要望が強い。そこで、倒れ易い「コシヒカリ」を散播した場合の収量・品質を維持させるため、幼穂形成期における適正な生育量を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1.  平方メートル当たりの苗立数20~110本の範囲において幼穂形成期の生育量を草丈(cm)×茎数(本/平米)×葉色(群落葉色)で表し、成熟期の倒伏程度との関連を求めたところ、高い相関(r=0.820***)が得られた。散播栽培において倒伏を回避し、受光態勢を保つための幼穂形成期の適正生育量は100,000~120,000である(図1)。
  2. 幼穂形成期の草丈(cm)×茎数(本/平米)×葉色(群落葉色)と総籾数(粒/平米)の間にも相関(r=0.695***)があり、この値が100,000~120,000で総籾数はおよそ28,000~30,000粒/平米となる(図2)。
  3. 収量は平方メートル当たり籾数が28,000~30,000粒で移植に近い収量および品質が期待できる(図3図4)。

[成果の活用面・留意点]

粘質土壌地帯のラジコンヘリ等による「コシヒカリ」の散播栽培に適用できる。幼穂形成期の生育量が120,000を超えると良質粒歩合が低下し、玄米蛋白質含量も6.5%を上回る傾向が認められるので、倒伏軽減剤を施用するか、第1回目の穂肥を控えめにする。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :コシヒカリの直播安定栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999年~2001年度
研究担当者 :佐藤 勉,酒井 究
発表論文等 :佐藤、酒井(2001)日作紀 別号1:6~7

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