根こぶ病抵抗性青カブF1品種「CR石川交1号」


[要約]

花粉培養で育成した「DH1」に「改良CR金沢青」を交配したF1品種「CR石川交1号」(仮称)を育成した。この品種は、根色が白の基本色で肩部に鮮やかな緑の補充色を有し、根形は球で、糖度が高く、加工用として適度な肉の硬さであり、根こぶ病抵抗性が強い。

[キーワード] 根こぶ病抵抗性、青カブ、花粉培養
[担当] 石川農研・育種栽培部・育種科
[連絡先] 076-257-6911
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・野菜花き
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

本県伝統加工食品「かぶら寿し」の加工原料用の「青カブ」は、県内で水稲後作等で栽培されているが、主産地では難防除病害である根こぶ病の被害が拡大し問題となっている。現在栽培されている在来種「金沢青カブ」とF品種「百万石」(M種苗)は、いずれも根こぶ病に弱い。また「金沢青カブ」は、肉の硬さが不揃いで硬いためロスが大きく、「百万石」は、肥大性と均一性に優れるが、肉質が柔らかく加工適性に劣るという問題がある。
そこで、「金沢青カブ」よりも肥大性と均一性に優れ、肉質が「金沢青カブ」と「百万石」の中間となる根こぶ病抵抗性のF品種を目標とし、育種年限短縮のため、固定系統の作出に花粉培養を用いながら、1997年より育成を開始した。

[成果の内容・特徴]

  1. 「百万石」を花粉培養して片親となる固定系統「DH1」を作出した。この系統に根こぶ病抵抗性系統「改良CR金沢青」を交配し、良質な根こぶ病抵抗性F品種「CR石川交1号」を育成した(図1)。
  2. 新品種の根径は、「金沢青カブ」よりも大きく、「百万石」と同程度である(表1)。
  3. 新品種は、「金沢青カブ」と同様に「百万石」より根色(補充色)の緑色が鮮やかで、肉の硬さは「百万石」より硬く、「金沢青カブ」より柔らかい(表1)。
  4. 新品種の糖度は、「金沢青カブ」とほぼ同じかやや高く、「百万石」よりも0.8%高い(表1)。
  5. 病土を用いた根こぶ病菌幼苗接種検定の結果、「百万石」と「金沢青カブ」は、100%の罹病率で発病程度も大きいのに対し、新品種では全く発病がみられない(表2図2))。

[成果の活用面・留意点]

  1. 現在、品種登録申請を準備中であり、登録後に根こぶ病の発病が懸念される地域へ導入を進める。
  2. ハクサイ等の事例から、根こぶ病抵抗性品種の罹病化も懸念されるので、連作や高温期の早播きを避け、石灰類で土壌酸度を矯正する等、耕種的防除を併用する。
  3. 本品種は裂根性がやや高いので、急激な肥大が生じないよう肥培管理を徹底する。

[具体的データ]


図1新品種の育成系統図 

図2 抵抗性接種検定の結果
1:金沢青カブ、2:百万石、3:CR石川交1号

[その他]

研究課題名

:「細胞・組織培養等による地域特産物の新品種開発と増殖研究」

予算区分

:県単

研究期間

:1997年~2001年度

研究担当者

:吉秋斎、安達直人、山辺守

発表論文等

:1)品種登録申請準備中(2002年予定)


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