わい化剤利用によるソラマメの耐雪性の強化


[要約]

出芽時のソラマメに、ウニコナゾールPを潅注して人為的にわい化することにより雪害が軽減される。わい化個体の葉身における雪腐病斑の伸長は無処理個体よりも抑制され、雪腐病抵抗性の強化が雪害の軽減に寄与する。

[キーワード] ソラマメ、耐雪性、わい化剤、雪腐病
[担当] 中央農研・北陸水田利用部・栽培生理研究室
[連絡先] 0255-26-3241
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・野菜花き
[分類] 科学・参考

[背景・ねらい]

ソラマメは不織布トンネルで雪害を回避することによって北陸地域で生産されているが、耐雪性を強化して露地越冬を可能にすることにより、積雪地域における栽培の省力化と安定化が可能である。ソラマメの雪害は主に雪腐病によるものであり、わい性の形質が雪害の回避に寄与することが明らかにされている。そこでソラマメ「打越一寸」にジベレリン生合成阻害剤であるウニコナゾールPを処理し、人為的にわい化することにより耐雪性を強化する。

[成果の内容・特徴]

  1. 出芽時にウニコナゾールP25ppmを1個体あたり20ml潅注することによって、根雪前の草丈は無処理の45%(7.3cm)となり、明らかにわい化する(表1)。
  2. 根雪60日後の無処理の枯死株率は50%、枯死葉面積率90%であったのに対して、人為わい化区はそれぞれ5%と50%に明らかに低減し、雪害が軽減される(図1)。
  3. ソラマメ葉身に雪腐病菌を人工接種すると、無処理に比べて人為わい化個体での病斑の伸長が抑制され、雪腐病抵抗性が強化されたことが示される(図2)。
  4. ソラマメの葉は、人為わい化に伴い濃緑で厚くなり、柵状組織細胞が伸長、海綿状組織細胞が拡大して細胞間隙が小さくなる(図3)。これらの葉の形態は耐雪性強品種「倫玲」の特徴と類似することから、雪腐病抵抗性の強化に関与する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 省力的な雪害回避技術開発の基礎的な知見となる。
  2. 越冬後のわい性形質の継続は着莢節数の減少により収量を低下させるので、消雪後における茎葉形質の迅速な復帰が可能な、わい化剤の処理条件の検討が必要である。
  3. 現在、ソラマメに対するウニコナゾールPの使用は未登録である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

ソラマメにおける形態形質と耐雪性との関係解明

研究期間

2000~2001年度

研究担当者

福田直子、松村修、荒井治喜

発表論文等

N. Fukuta et al. (2001) Plant Production Science 4:189-195.


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