トラクタ搭載デジタルカメラを用いた直播水稲の生育量推定手法


[要約]

スターホイールトラクタに搭載したデジタルカメラを用いて得た、直播水稲の直上からのカラー画像情報(植被率、RGB演算値)は生育量(葉面積指数、SPAD値など)と相関があり、生育量推定手法として利用可能である。

[キーワード] デジタルカメラ、カラー画像情報、直播水稲、生育量推定、葉色推定
[担当] 福井農試・作物・経営部・作業システム研究グループ
[連絡先] 0776-54-5100
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・経営作業技術、関東東海北陸農業・北陸・総合研究
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

大区画圃場での直播水稲の収量・品質の安定化に向け、圃場内の生育むらを把握し、それを小さくするという精密な管理が必要となる。これまでリモートセンシング技術によって生育量を把握する手法としてはいくつか開発されている。しかし、稲体の大きさと葉色の両方を推定する手法はあまりみられない。そこで、安価で一般に入手可能、しかも取り扱いも容易なデジタルカメラ(デジカメ)を水稲管理作業用車輪(スターホイール)を装着したトラクタに搭載して、得られたデジタルカラー画像情報から生育量(葉面積指数、SPAD値など)を迅速に推定するための手法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 画像取得装置は、スターホイールトラクタ後部に装着したキャリアのアームに鉛直下向きに固定されたリモコンシャッタ付きデジカメ(地上高約2m)、カメラとつながったパソコン、電源等付属機器という簡易な構成である(図1左)。
  2. パソコン画面で撮影地点の状況を確認しながら画像取得を行う。
  3. 取得された画像は、図1右のフロー図に従い、画像処理解析ソフトを用いて処理解析を行うことで、生育量に関係する演算値(植被率、(R-B)/(R+B))が得られる。
  4. 画像処理解析により得られた画像の植被率は葉面積指数(LAI)等の生育量と相関があり(図2)、直播水稲の葉面積指数、地上部乾物重など、生育量の推定手法として利用が可能である(植被率が70%以下の場合)。
  5. 原画像(A)と植被率算出のため作成された二値化画像(W)との画像間演算(A)×(W)により稲体の部分のみの情報を抽出できる(図3)。幼穂形成期頃の稲体抽出画像(C)から算出される(R-B)/(R+B)はSPAD値と相関があり(図4)、葉色推定手法として利用が可能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 画像取得にあたっては照度の変動が小さいときに行う。また画像取得時にはトラクタは停止状態とし、画像がブレないシャッタースピードとする。
  2. 画像処理解析には、得られた画像の中央部(画像全体面積の約1/10)を用いた。
  3. 品種などによって回帰式が異なるため、必要に応じ回帰式を作成して、生育量推定に用いる。
  4. デジカメの搭載はスターホイールトラクタに限定するものでない。水稲生育期間中、圃場内を安定して走行できるものであればよい。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:生育情報に基づく低投入型大区画直播水稲の高品質安定栽培技術の確立

予算区分

:国補(地域基幹)

研究期間

:1998~2001年度

研究担当者

:土田政憲、鹿子嶋力(現福井農試水稲育種部)、北倉芳忠

発表論文等

:土田・鹿子嶋(2000)北陸作物学会報第36号(別号):14


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