砂壌質乾田における条播栽培コシヒカリの全量基肥施肥法


[要約]

育苗箱全量施肥用シグモイド型被覆尿素肥料〔100日タイプ(45日抑制-55日溶出)〕(以下SS100Aとする)を穂肥対応肥料として使用することにより、直播栽培コシヒカリの生育ステージに合致した全量基肥施肥が可能となる。

[キ-ワ-ド] 直播、被覆尿素、全量基肥施肥、コシヒカリ
[担当] 富山農技セ・農業試験場・土壌肥料課
[連絡先] 076-429-5248
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

富山県では直播栽培面積が年々増加(平成13年:472haうち条播栽培面積380ha)し、その大部分でコシヒカリが栽培されている。現場では省力施肥技術として全量基肥施肥の要望が強いが、現在のところ直播栽培コシヒカリに対応した全量基肥肥料がないことから、移植栽培コシヒカリ用肥料〔速効性肥料+シグモイド型被覆尿素肥料(100日タイプ(45日抑制-55日溶出))〕(以下SS100とする)で対応する場面もみられる。
しかし、移植栽培に比べ直播栽培では生育ステ-ジが遅くなることから、SS100では溶出開始が早くなり、生育後半の肥料切れや倒伏が懸念されている。そこで直播栽培とくに条播コシヒカリの生育ステージにあった穂肥対応被覆尿素肥料を検討し、全量基肥施肥法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. SS100Aは育苗箱全量施肥用肥料として使用されており、SS100と溶出タイプは同様であるが、溶出抑制期間に溶出される窒素量を極力抑えた肥料である。
  2. 直播栽培における幼穂形成期(7月13日)までの被覆尿素肥料窒素溶出率はSS100(H12:38.5%、H13:50.4%)に比べSS100A(H12:22.8%、H13:25.7%)では抑えられ、移植栽培における幼穂形成期(7月4日)のSS100(H13:19.0%)に近い溶出率が得られる(図1)。
  3. 稲体の窒素含有率は幼穂形成期前の7月上旬で速効性+SS100に比べ速効性+SS100Aで同等か低くなるが、幼穂形成期から成熟期にかけて高く推移し、SS100Aを使用することで幼穂形成期以降の稲体の窒素栄養状態を高く保つことができる(図2)。
  4. 速効性3kgN/10a+SS100A3kgN/10aの施用によりm2あたり着粒数は27000粒程度確保され、慣行分施並の精玄米重が確保される(表1)。
  5. SS100Aを使用することによりSS100に比べ第4節間長が短くなる(表2)。
  6. 登熟期の異常高温や稲体の栄養凋落による胴割粒、白未熟粒の発生はSS100Aの使用により低くなる(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 施肥量は現地の慣行分施量に応じ調整する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :コシヒカリの直播栽培における全量基肥施肥法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998~2001年度
研究担当者 :小池潤、中田均、沼田益朗
発表論文等 :なし

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