整畦植込み機を用いた遅植えによるチューリップ微斑モザイク病防除技術


〔要約〕

整畦植込み機を用いた11月中旬以降の遅植えによりチューリップ微斑モザイク病を防除できる。

〔キーワード〕 チューリップ微斑モザイク病、整畦植込み機、遅植え
〔担当〕 富山農技セ・野菜花き試験場・花き課
〔連絡先〕 0763-32-2259
〔区分〕 関東東海北陸農業・北陸・生産環境
〔分類〕 技術・普及

〔背景・ねらい〕

チューリップ微斑モザイク病は土壌中のOlpidium brassicaeによって媒介され、既往のポット試験では11月中旬以降に球根を遅植えすることにより発病が著しく減少することが明らかになっている。しかし、11月に入ると天候が悪化し圃場が多湿条件となり、広い面積の植え付けが困難となるため、遅植えは汎用的な防除技術とはならなかった。一方、近年開発された整畦植込み機を用いるとわずかな晴れ間にも植付作業ができる。そこで本機を用いて遅植えが可能かどうかを実証するとともに、微斑モザイク病防除の実用性について明らかにする。

〔成果の内容・特徴〕

  1. 整畦植込み機を用いることによって、極端な多湿条件の場合を除き12月中旬まで植え付けが可能となり、地温が10℃付近に低下する11月中旬以降に球根を植え付けると発病は著しく減少する(図1)。
  2. 遅植えした区から収穫した球根の翌年の発病(球根伝染)も少ない(図1試験2)
  3. 本機を用いることによりオペレーターと1~2名の補助員で植付作業が可能となり(図3)、省力化につながる。

〔成果の活用面・留意点〕

  1. 本機を用いて遅植えするためには、9、10月の圃場条件の良い時期にあらかじめ高畦を作っておく必要がある。
  2. 遅植えの効果は完全なものではないので、従来通り発病株の抜き取りも併せて徹底する。
  3. 本機を用いて遅植えを行う場合の適正な肥培管理については現在調査中である。
  4. 遅植えは球根腐敗病の防除にも有効である(1998年北陸農業研究成果情報)。
[具体的データ]

〔その他〕

研究課題名 :チューリップウイルス病の発生機作の解明と防除法の開発品種
 抵抗性等生理生態機能を利用した土壌伝染性ウイルス制御技術の開発
予算区分 :指定試験
研究期間 :1998~2000年度、2001年度
研究担当者 :多賀由美子、守川俊幸、築尾嘉章(現,花き研)
発表論文等 :多賀ら(2001)日本植物病理学会報67(2):160(講要)

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