発芽したそばが,ゆで麺の物性及び糊化特性に及ぼす影響


[要約]

そばは発芽に伴いα-アミラーゼ活性が高まり、ゆで麺の物性を低下させる。そばα-アミラーゼは、そば粉より小麦粉(つなぎ粉)のほうに大きな影響を与える。そばの発芽を防ぐには、高水分での収穫は避け、速やかに乾燥する必要がある。

[キーワード] そば、発芽、α-アミラーゼ
[担当] 福井県農業試験場・食品加工研究所・加工開発研究グループ
[連絡先] 0776-61-3539
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・流通加工
[分類] 科学・参考

[背景・ねらい]

そばは刈り取り時期の降雨により穂発芽しやすい。また、高水分で収穫した場合にも乾燥調製時に発芽しやすく、α-アミラーゼ活性が高まることが予想される。そこで、ゆで麺の物性及びそばの糊化特性に及ぼすα-アミラーゼの影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 発芽処理を行った結果、24時間後には幼根の発生がみられ、幼根の伸長とともにα-アミラーゼ活性は増加する(図1)。
  2. 現地のそば栽培圃場で、刈り取り時期に雨が多かった地域の玄そばを調査した結果、α-アミラーゼ活性が高いものがみられ、最高粘度(RVAで測定)が低く、ゆで麺の歯ごたえも低下した(図2)。
  3. そばα-アミラーゼの影響は、全粒粉そば粉で最高粘度の低下が最も少なく、小麦粉では粘度が著しく低下する(図3)。その要因の一つとして、そば粉は小麦粉に比べα-アミラーゼ活性を抑制する傾向がみられ、末粉でその作用が大きい(図4)。
    つなぎ粉として小麦粉が多いそば麺ではα-アミラーゼの影響が大きくなると判断される。
  4. 以上の結果から、発芽によりα-アミラーゼ活性が高いそばは、ゆで麺の物性を損なうため混入させない方がよい。また、そばは発芽しやすいため、高水分での収穫は避け、速やかに乾燥する必要がある。

[成果の活用面・留意点]

  1. 玄そばの水分、温度等により発芽の程度、α-アミラーゼ活性は異なる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名 :穀類のブレンドによる品質安定化と新製品開発
予算区分 :県単
研究期間 :2000~2002年度
研究担当者 :杉本雅俊、平井?一、栗波 哲
発表論文等 :1)杉本・栗波(2001)日本食品科学工学会第48回大会講演要旨集:111

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