イネ単離花粉の効率的な培養方法


[要約]

イネの葯を10℃10日間低温処理し、6~10日間純水に浮遊させたのち、花粉を単離して培養することにより、葯培養と同程度の培養効率で緑色再分化植物を得ることができる。

[キーワード] イネ、花粉、培養
[担当] 新潟農総研・アグリ・フーズバイオ研究部
[連絡先] 0258-35-0047
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・生物工学
[分類] 科学・普及

[背景・ねらい]

イネの新品種育成において、育種年限の短縮が可能な半数体育種法は重要な技術である。これまで利用されてきた葯培養は、葯壁、花糸などの体細胞が同時に培養されるという欠点があり、体細胞由来植物の混入が懸念されてきた。そこで、単離花粉の効率的な培養法を確立し、葯培養の欠点を払拭して、イネの半数体育種をより高度なものにする。

[成果の内容・特徴]

  1. イネ単離花粉の培養は、図1に示すような操作方法によって行う。
  2. 幼穂は、10℃10日間の低温処理を行う。
  3. 葯は、6~10日間の純水処理を行う。
  4. 花粉の懸濁密度は、7.5×104個/mlが適当であり、密度が低いと培養効率が低下する。
  5. カルスからの緑色植物再分化率は、約20%であり、葯培養と同程度である。
  6. 各培養過程で最適な培地は表1のとおりである。

[成果の活用面・留意点]

  1. イネの半数体育種に利用できる。
  2. 単離花粉への変異処理、遺伝子導入などの高度な水稲育種への利用が可能となる。
  3. 最適な純水処理の期間は、6~10日の間で材料によって異なる。
  4. 本技術は、水稲新品種の短期育成、画期的品種の育成などに活用できる。

[具体的データ]


図1 イネ花粉培養の操作手順

[その他]

研究課題名 :水稲新品種育成のための花粉培養法の確立
予算区分 :県単特別
研究期間 :1996~2000年度
研究担当者 :星洋介、水野麻里、近藤正剛、大源正明
発表論文等 :なし

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