新機能で簡便さが向上した線形計画法プログラムXLP


[要約]
新しいXLPは、単体表を複数に分割して記述できる機能、線形計画問題の本来の記述形式である数式によりモデルの記述ができる機能、線形計画法やXLPの利用法を学習できる機能などが付加されて、利用の簡便さが向上している。

[キーワード]XLP、線形計画法、数式モデル、大型問題、学習機能

[担当]中央農研・経営計画部・経営設計研究室、北海道北見農試・技術普及部
[連絡先]電話029-838-8414
[区分]関東東海北陸農業・経営、共通基盤・経営
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 XLPは、1998年に公開して以来、農業技術の経営的評価、営農モデルの策定等に利用される線形計画法の計算プログラムとして、広く利用されている。今回は、利用場面の拡大や利用の簡便さ向上を図るため、(1)集落営農モデルや長期計画モデル等のプロセス数がExcelの最大列数を超える計画モデルの記述を可能にする、(2)線形計画法の初級者に理解しやすい、線形計画モデルの本来の記述形式である数式モデルを、XLPの計画モデルの記述形式として利用できる、(3)線形計画法やXLPの操作を学習できる、等の新機能を付加する。

[成果の内容・特徴]
1. 単体表を分割して記述できるインターフェースを追加し、プロセス数がExcelの最大列数を超える計画モデルでも記述できるようにした(図1)。線形計画モデルが多段階モデルやリカーシブモデルでその計画期間が中長期に及ぶ場合や、営農集団の経営計画問題の場合等ではプロセス数が多くなり、Excel上で動作するXLPでは、Excelの最大列数256に制約され計画モデルが記述できなくなるので、それへの対処である。この機能は、プロセス数が多くない計画モデルでも、それを途中で分割することにより、計画モデル全体の見通しがよくなるような記述に利用できる。
2. 数式で計画モデルを記述するインターフェースを追加し、数式モデルから単体表への変換し、さらに最適解の計算ができるようにした(図2)。単体表は、線形計画法の解法の説明や、線形計画モデルの記述によく利用されており、XLPでは単体表で計画モデルを記述するインターフェースを備えている。しかし、線形計画モデルは一次の数式で記述されるものなので、とくに線形計画法の学習初期には、数式を使用した計画モデルの記述が理解しやすいので、この機能を追加した。この機能は、数式モデルと単体表の関連を理解して、単体表によるモデル記述の習得にも有用である。
3. 線形計画法等の習得を支援する機能(XLP_try)を追加した(図3)。線形計画法の農業経営問題での利用方法、そのための農業経営計画モデルの作成方法、計画モデルの事例、計算結果の読み方、XLPの操作法等の習得を支援する機能がある。

[成果の活用面・留意点]
1. 数式によるモデルの記述は、作目別の費用収益、労働時間、経営資源等のデータをもとに計画モデルを自動的に作成する処理を容易にするので、アプリケーション開発の部品としてXLPを利用し易くする。
2. XLPを計算エンジンとして利用したAGRIX、BFMなどのアプリケーション(Excelブック)が開発され、普及現場で利用されている。
3. XLPは次のホームページからダウンロードできる。
http://cse.naro.affrc.go.jp/ooisi/ または http://www.interq.or.jp/sun/ooisi/


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:経営設計支援システムXLPの改良
課題ID:03-03-04-01-05-03
予算区分:交付金
研究期間:2001~2003年度
研究担当者:大石亘、土田優(北海道北見農試、現根釧農試)

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